音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【歌詞和訳考察】Imagine Dragons/Take Me To The Beach feat. Ado この曲の意味とは?アドが海外でコラボ!この音楽を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

Imagine Dragons
Take Me To The Beach feat. Ado

について哲学的に考察していく。



 

Imagine Dragons「Take Me To The Beach」MV

www.youtube.com


Take Me To The Beachの歌詞/和訳

People pleasing planet
人を喜ばせる惑星

Got a million people saying how to plan it
何百万もの人々が計画の仕方を語っている

I can no longer stand it
もう耐えられない

Gonna spend my days telling them to can it
これからの日々、彼らに「やめてくれ」と言い続ける

Each and to their own
それぞれに好きな道を

Got a salesman ringin’ my phone
セールスマンが電話をかけてくる

Tell me where to go
行くべき場所を教えようとする

No, I don’t wanna hear the down low
いや、詳細なんて聞きたくない

lowe, oh-oh-oh

Nothin’, not a penny, never wanna hear you preach
何もいらない、一銭もいらない、説教なんて聞きたくない

No, oh-oh-oh

(Take-take-take-take) Take me to the beach
(連れてって、連れてって)ビーチに連れて行って

Ah-ah-ah, you can have the mountains
山は君にあげる

Ah-ah-ah, you take the snow
雪も君にあげる

Ah-ah-ah, it’s way too cold
寒すぎる

My heart is cold enough
僕の心はもう冷たすぎる

Ah-ah-ah, push comes to shove
いざとなれば

Ah-ah-ah, you can have the mountains
山は君にあげる

Ah-ah-ah, I’ll take the beach
僕はビーチを選ぶ

聞く耳断つ
奴が大層な胸を張る

また構わずやる
「望まない」から舌を打つ

(チッ)え?Ah
神か仏か?ヒト気取りか?

頭の中 Leave me alone
誰になればいいの?Take your hands off

lowe, oh-oh-oh

吐き出す前に口をとじろ
No, oh-oh-oh

(Take-take-take-take) Take me to the beach
(連れてって、連れてって)ビーチに連れて行って

Ah-ah-ah, you can have the mountains
山は君にあげる

Ah-ah-ah, you take the snow
雪も君にあげる

Ah-ah-ah, it’s way too cold
寒すぎる

My heart is cold enough
僕の心はもう冷たすぎる

Ah-ah-ah, push comes to shove
いざとなれば

Ah-ah-ah, you can have the mountains
山は君にあげる

Ah-ah-ah, I’ll take the beach
僕はビーチを選ぶ

I’m better off alone (better off alone)
ひとりでいる方がましだ(ひとりでいる方がましだ)

Like a rollin’ stone (Like a rollin’ stone)
転がる石のように(転がる石のように)

Turnin’ off my phone (off my phone)
電話を切る(電話を切る)

No one bringin’ me down, down, down, down
誰にも僕を落ち込ませない

Just give me some space (Just give me some space)
ただ少し距離をくれ(ただ少し距離をくれ)

That sun in my face (sun in my face)
顔に当たるあの太陽(顔に当たるあの太陽)

And the days go on, and on, and on, and on
そして日々は続いていく、ずっと、ずっと、ずっと

T-A-K-E, take me to the beach (Oh)
T-A-K-E、ビーチに連れて行って

Ah-ah-ah, you can have the mountains (Have the mountains)
山は君にあげる(山は君にあげる)

Ah-ah-ah, you take the snow
雪も君にあげる

Ah-ah-ah, it’s way too cold (It’s way too cold)
寒すぎる(寒すぎる)

My heart is cold enough (Oh)
僕の心はもう冷たすぎる(オー)

Ah-ah-ah, push comes to shove
いざとなれば

Ah-ah-ah, you could have the mountains
山は君にあげる

Ah-ah-ah, I’ll take the beach (I’ll take the)
僕はビーチを選ぶ(僕は選ぶ)

Take me to the (I’ll take the)
僕を連れて行って(僕は選ぶ)

I don’t have no friends, そう何も (Ayyy)
僕には友達がいない、そう何も(エイッ)

Got me ‘til the end 最後まで(don’t, “ll take the)
最後まで自分がいる(取らない、僕は選ぶ)

I don’t have no friends, そう誰も (Ask anyone)
僕には友達がいない、そう誰も(誰にでも聞いて)

Got me til the end, 最後まで (Take me to the beach)
最後まで自分がいる(ビーチに連れて行って)


 

序論

メロディウス
少年よ、この歌はまるで

現代の混沌を映し出しているようだ。

 

人々は他者を喜ばせようと惑星全体で躍起になり、

時には他者の人生を「計画」しようとする。

 

だが、果たしてその「親切」は、

真に幸福を生み出しているのだろうか?

 

少年
この歌詞を聴いているとさ、

僕はなんだか息苦しさを感じるんだ。

 

みんなが「こうすべきだ」と僕に言ってくる。

だけど、僕の心は冷たくなって、

ビーチの太陽だけが僕を解放してくれる気がするんだ。

 

メロディウス
そうか、それはまさに「自由」の追求だな。

他者からの期待や「山」のように

高い理想を捨て、自らの「ビーチ」、

つまり平穏な居場所を求める姿だろう。

 

では、この歌を「現代の人間関係」と

「自己の存在」に

焦点を当てながら考察してみようではないか。


 

第1章 「他者の期待」と自己疎外

少年
「人を喜ばせる惑星」とか

「何百万もの人が計画を語る」という

歌詞があるけど、

みんな他人の人生に口を出しすぎじゃないかな?

 

自分の価値観を押し付けてくるように感じるよ。

 

メロディウス
それこそが「人間社会」の矛盾だ。

人は他者と共生する生き物であるがゆえに、

無意識に「こうあるべきだ」と他者に期待する。

 

だが、それは往々にして

「自己疎外」を招く。

 

君が感じる息苦しさは、

周囲の期待と自らの真実が

一致しないときに生じるものだ。

 

少年
自己疎外って?

 

メロディウス
それは、自分自身が

何者なのか分からなくなり、

他人の意見や価値観に飲まれてしまう状態だ。

 

歌詞にある

「セールスマンが電話をかけてくる」場面は、

まさに現代社会の象徴だろう。

 

情報や商品、

そして人生の「正解」が

次々と押し付けられ、

我々は選択を迫られる。

 

少年
でもさ、

「No, I don’t wanna hear the down low

(詳細なんて聞きたくない)」って言葉、

すごく共感できるんだ。

 

自分の人生に余計な指図は要らない。

そういうノイズを切り離したいんだよ。

 

メロディウス
それが「聞く耳断つ」ということだな。

他者の声を遮断し、

自らの心の声に耳を傾ける行為だ。

 

だが、その一方で、

人は孤独に対する恐れも抱くものだ。

 

「I don’t have no friends(僕には友達がいない)」

というフレーズは、

その心の冷たさ、疎外感を示している。


 

第2章 「山」と「ビーチ」の対比

少年
歌詞には「山」と「ビーチ」が

繰り返し出てくるんだよね。

 

「山は君にあげる、僕はビーチを選ぶ」。

これってどういう意味だと思う?

 

メロディウス
「山」はしばしば社会的な成功や

高みの象徴として使われる。

 

「山を登る」ことは、

他者の期待に応え、

社会的地位や名声を

手に入れる努力のメタファーだろう。

 

一方で「ビーチ」は、

心の平穏や自然体の自分を象徴している。

 

少年
なるほど。

そうすると、「山」は

他者の価値観で決められた

「理想」みたいだね。

 

でも僕は、そんなものは要らない。

 

ただ「太陽の光が顔に当たる」

ビーチにいたいんだよ。

 

そこには誰の期待もなく、

ただ僕が僕でいられるから。

 

メロディウス
興味深い考察だな。

さらに歌詞には「雪」と「寒さ」も登場する。

 

「It’s way too cold(寒すぎる)」という表現は、

現代社会の冷たさ、

人間関係の薄情さを暗示しているのではないか?

 

少年
そうだね。

僕の「心はもう冷たすぎる」から、

余計に「ビーチ」に行きたくなるんだ。

温かさを求めてさ。

 

メロディウス
つまり、君が求める「ビーチ」とは、

物理的な場所ではなく

「温かい自己肯定感」や

「孤独からの解放」だろう。

 

現代社会の中で、自らの心を守るためには、

そのような逃避や再生の場所が必要なのだ。


 

第3章 孤独と自由の狭間

少年
「I’m better off alone

(ひとりでいる方がましだ)」って歌詞、

僕は強がりに聞こえるんだ。

 

本当は友達が欲しいけど、

他人といると自分を見失いそうになる。

 

だから「ひとり」の方が楽なんだよね。

 

メロディウス
それは「孤独」と「自由」の間に

揺れる人間の心だな。

 

孤独は時に恐怖を伴うが、

同時に自由を与えてくれる。

 

歌詞にある

「Like a rollin’ stone(転がる石のように)」

という表現は、

束縛から解放された自由な存在のことだ。

 

少年
だけど、自由でいることって、

孤独と紙一重なんだね。

 

だからこそ最後に

「Got me ’til the end(最後まで自分がいる)」

っていうフレーズが出てくるのかな?

 

自分だけは自分を見捨てない、って。

 

メロディウス
その通りだ。

現代社会において、

人は他者とのつながりを求めつつも、

自分自身を保ち続けなければならない。

 

その矛盾を乗り越えるために、

この歌は「ビーチ」という象徴を示しているのだ。

 

そこは、孤独を肯定しつつ、

自らの心の温かさを取り戻す場所だろう。

 

 

結論

少年
結局この歌って、

自分らしく生きることの大切さを

歌っているんだね。

 

他人の価値観や社会の冷たさに流されず、

自由な心でいること。

 

メロディウス
その通りだ。

だが自由でいることは

孤独と向き合う勇気も必要だ。

 

「Take me to the beach(ビーチに連れて行って)」

という言葉は、

現代の若者たちの叫びでもあり、

再生への祈りでもある。

 

少年
僕も、自分の「ビーチ」を見つけたいな。

自分を偽らず、温かい光の中で生きるために。

 

メロディウス
そのためには、

まず他者の「山」を手放すことだ。

 

そして、自分自身を信じることだよ、少年。