音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【歌詞考察】Ado/Episode X この曲の意味とは?劇場版ドクターXの主題歌!歌詞がすべて公開されていたため仕切り直しに哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

Ado
Episode X

について哲学的に考察していく。


 

Ado「Episode X」MV

www.youtube.com


Episode Xの歌詞

希望は時折 残酷だった
笑えないアイロニー
いつも可能性の裏側には
不可能が潜んでいる
瞬間的イメージ
溢れる Terror, Terror
もう棲みつく臆病は
Get out. Get out.
不安定な感情に視界が歪んだ
このままじゃ
Falling down
焦燥に応答して
Burning up
Breaking down
損傷した冷静のバリア
うっせぇわ
脳内に響いた
Hurry up
Flash back
口に出せないほど
脆い覚悟じゃ
何も救えなかった
邪魔だ
未完成な決意などいらない
弱音は捨て去って
たとえ僅かな望みでも
この手を離したりはしない
だけどずっと本当は怖くって
それでもあなたがくれた
言葉さえあれば闘えるのさ
もう弱い私はいない
何度だって颯爽と Coming back
あんなこんな難題もクリア
そう私を呼ぶ声があれば
どんなステージでも構わない
何度だって堂々と Show you now
あんなこんな強敵も撃破
嗚呼 何回だって唱えるさ
そう私に失敗はない
絶望は時折 チャンスを生んだ
転げ落ちる度に
作った傷はかさぶたになった
それでも相変わらず
何回メスを入れてもどうしたって
Bad things 変わらないものはあって
簡単だよな諦めちゃうのは
なんてよぎる度思い返す
ずっとずっと想いを馳せた
あんな風になんて描いてた
そう私を呼ぶ声があれば
どんなステージでも闘える
ずっと私が見ていた
あなたと共に見ていた
二つとない未来を今
邪魔させない
そうこの覚悟は
誰にも采配の権利など無い
駆けるこの世界を
涙飲む日があろうとも
無駄な瞬間は一つとして無い
掬い取った僅かな
望みを掴み切って何度でも
繋ぎ合わせる
そうやってここまで来たんだ
あなたと共に
何度だって颯爽と Coming back
あんなこんな難題もクリア
そう私を呼ぶ声があれば
どんなステージでも構わない
何度だって堂々と Show you now
あんなこんな強敵も撃破
嗚呼 何回だって唱えるさ
そう私に失敗はない


序論

少年: 
「メロディウス、

君はこの歌詞をどう思う?

 

『絶対に手術を失敗しない』という

物語のテーマと重なりながら、

人間の不安定な感情や恐れを

直視する歌詞が描かれているように感じるんだ。」

 

メロディウス: 
「確かに興味深い。

『不可能が潜んでいる』

と歌われる一方で、

歌詞全体には希望と決意の

強い光が差している。

 

この矛盾の中に、

人間存在の本質が隠されているのではないか。」

 

少年: 
「じゃあ、歌詞を章ごとに分けて

議論してみようか。

 

『希望と恐れ』『覚悟と再生』

『未来への挑戦』というテーマでどうだい?」


メロディウス:

「いい案だ。始めよう。」


 

第1章 希望と恐れ

少年: 
「歌詞の冒頭で、

希望が時に残酷だと述べられているね。

 

希望は通常、

明るいものとして

語られるけど、

ここではその裏側に恐れが

伴うことを示唆している。

 

どうして希望が残酷になるんだろう?」

 

メロディウス:
 「希望には未来への期待が含まれるが、

それが叶わない可能性も

同時に孕んでいる。

 

可能性の裏側に

不可能が潜むという言葉は、

まさにこの両義性を指している。

 

だからこそ、人は希望を抱くたびに、

失敗や挫折の恐怖と向き合わざるを得ない。」

 

少年: 
「なるほど。

だから『臆病はGet out』と、

自分の中に巣食う恐れを

排除しようとするんだね。

 

でもそれって簡単なことじゃないよね。

 

歌詞の『視界が歪んだ』

『Falling down』という表現は、

恐怖や不安がいかに

人の認識を乱すかを象徴している気がする。」

 

メロディウス:
 「その通りだ。

 

ここでの恐れや不安は、

単なる弱さではなく、

自己を変革するために

乗り越えるべき試練として提示されている。

 

哲学者ハイデガーが言うように、

人間の不安は自らの存在の

有限性を悟ることから生まれる。

 

だが、その不安こそが、

より深い生の理解を促すのだ。」

 

少年: 
「つまり、恐れに直面することが、

成長への一歩なんだね。」


 

第2章 覚悟と再生

少年:
 「次に出てくるのは

『脆い覚悟じゃ何も救えなかった』

という歌詞だ。

 

これは失敗を経験した

人間の後悔や自己反省が

表れていると思う。

 

だけど、その後には

『未完成な決意などいらない』と、

強い覚悟を持つ

必要性が語られているね。」

 

メロディウス:
 「ここで重要なのは、

『覚悟』とは完成されたものではなく、

常に生成され続けるものだという点だ。

 

覚悟は単なる宣言ではなく、

行動と試行錯誤を通じて

鍛えられるものだ。

 

再び立ち上がる

『Coming back』の表現は、

人間が何度でも自らを

再生できることを示している。」

 

少年:
 「たとえ恐れがあっても、

誰かの言葉や支えがあれば

乗り越えられると歌われているよね。

 

ここでは他者の存在が鍵になる気がする。」

 

メロディウス: 
「そうだ。

他者の言葉や存在は、

自分の内なる可能性を引き出す触媒となる。

 

哲学者レヴィナスが語ったように、

他者との出会いが自己を

超える契機を与えるのだ。

 

この歌詞における『あなた』は、

主人公にとってのそうした

他者を象徴しているのだろう。」


 

第3章 未来への挑戦

少年:
 「最後の部分では、

歌詞が未来への挑戦を

全面的に肯定しているね。

 

『どんなステージでも構わない』

『失敗はない』と、

絶対的な自信が歌われているけど、

この自信ってどこから来るんだろう?」

 

メロディウス: 
「それはおそらく、

過去の挫折や失敗を

経験してきたからこその確信だ。

 

『転げ落ちる度に作った

傷はかさぶたになった』という表現が、

経験を力に変えるプロセスを物語っている。

 

哲学者ニーチェ

『それでもなお生きる者こそが強者である』

と言ったように、

苦難を乗り越えることでしか

得られない強さがある。」

 

少年: 
「つまり、過去の試練が

未来への土台を作るんだね。

 

それに、歌詞では

『無駄な瞬間は一つとして無い』

とも歌われている。

 

挫折さえも意味のあるものだと考える

態度が感じられるよ。」

 

メロディウス: 
「そうだ。すべての経験を肯定し、

それを次の行動につなげることが

人間の持つ可能性を最大化する方法だ。

 

この歌詞は、まさにそうした

ポジティブな生き方を描いている。」


 

結論

少年: 
「この歌詞は単なる

励ましの言葉以上のものだね。

 

希望と恐れ、覚悟と再生、

未来への挑戦と、人生の本質を

哲学的に描いている気がする。」

 

メロディウス:
 「その通りだ。

 

『絶対に失敗しない』

という物語のテーマは、

単なる完璧主義ではなく、

失敗や恐れを経験し、

それを糧にしながらもなお

挑み続ける姿勢の象徴だ。

 

この歌詞は、医者の物語を越えて、

人間の存在そのものを肯定する

哲学的メッセージを持っている。」

 

少年: 
「つまり、この歌は

『人間の可能性』の歌なんだね。

 

僕たちも、どんな困難に直面しても、

何度でも立ち上がれることを

忘れちゃいけない。」

 

メロディウス: 
「その通りだ。

 

だからこそ、この歌詞には

心を動かされる力がある。

 

希望と恐れ、そのすべてを

受け入れながら進む

人間の姿がここにはあるのだから。」