諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
について哲学的に考察していく。
THE ORAL CIGARETTES「愁」MV
愁の歌詞
あのね約束した
あの日のことを覚えてる?
必ず戻ることを誓った帰り道を
僕は忘れはしないでしょう
あのね 君がくれた言葉は
いつも傍にいて
それでも上手く前に進めなかったのは
僕の弱さでしょう
1人になって呟いた言葉の隅に
誰かの声がこだました
でも聞こえないふり
また夏が終わるその瞬間
季節が僕を避けた
どんな風にして
僕ら一緒に過ごしていくのかと
君の待つカーテンコールが
こんなにも遠く想うのは覚めない
夢記憶の中で痛みは増すけれど
何度も誤魔化し塞いでた
何も言えないよ君に
まだ終わらない夏に願いかけて
僕を繋ぎ止めた
優しく光った星達に
今なら伝えられる
確かな『ありがとう」を
僕の全てで歌うから
明日また笑い合ってますように
怖くても歌を歌い続けられますように
君とまた夢見たこの場所で
僕らはとめどない光を
放っていくんだろう
きっと何年先も
一緒に過ごしていくのだろう
目の前にあるこの奇跡が
君の人生も照らすように
僕ら刻む時の中で痛みはあるけれど
愛しい日々で満たせるから
心配いらないよ
君と煌めく秋の風に願いかけて
序論
少年
この歌詞を読むと、
胸の奥が締め付けられるような
感覚があるんだ。
特に「必ず戻ることを誓った」
という言葉が、
未来への希望と現在の痛みを
同時に抱え込んでいるように感じるんだよ。
メロディウス
なるほど、少年。
この歌詞には約束、記憶、
そして時間の移ろいが
織り込まれているようだね。
それらは人間が生きる上で
避けられないテーマだ。
では、歌詞を通して、
約束と記憶がどのように私たちの存在に
影響を及ぼすのか考えてみよう。
少年
いいね!
それに、歌詞の中で感じる
季節の変化も重要な要素だと思う。
それはただの時間の流れじゃなくて、
感情や関係の変化と
リンクしているように感じるんだ。
メロディウス
まさに。では、第一章から始めよう。
第1章 記憶と約束の本質
少年
「あのね約束した
あの日のことを覚えてる?」
っていうフレーズ、
すごく印象的だよね。
約束って、未来に向けた希望の証だけど、
それを覚えていることで
過去に縛られてしまうことも
あるんじゃないかな?
メロディウス
その通りだ、少年。
約束は未来を見据えて交わされるが、
それを覚えている限り、
過去の一部として私たちに影響を与える。
約束とは「希望」と「負担」の
両方を含むものだ。
そして、この歌詞の語り手が
約束を忘れないと宣言することには、
自己の弱さや不完全さを認める姿勢が見えるね。
少年
でも、その弱さも大事なんじゃないかな。
「僕の弱さでしょう」と
歌詞で認めているけど、
それがあるからこそ、
他人との繋がりが意味を持つんだと思う。
メロディウス
確かに。
弱さは人間が互いに支え合う理由を生み出す。
そして、約束は弱さを
補完する力として存在するのだろう。
だが、約束に囚われることなく
前に進むには、
記憶をどう受け止めるかが鍵になる。
第2章 季節と感情の共鳴
少年
歌詞には季節の移ろいが
何度も出てくるけど、
「また夏が終わるその瞬間」とか、
「まだ終わらない夏に願いかけて」
という部分、どこか切ないよね。
季節って、どうしてこんなに
感情を揺さぶるんだろう?
メロディウス
それは季節が時間の象徴であり、
人間がそれに感情を投影するからだろう。
夏の終わりは、
過ぎ去るものへの惜別を表す。
特に「君の待つカーテンコールが
こんなにも遠く想う」という表現は、
時間が希望を引き離す苦しみを語っている。
少年
なるほど。
季節が変わるたびに、
過去との距離が生まれるってことか。
でも、そんな中で
「まだ終わらない夏」に
願いをかける語り手の気持ちは、
希望を捨ててないんだよね。
それが歌詞全体を
貫いている力のように思えるんだ。
メロディウス
その希望は、歌詞後半で
「星たち」や「秋の風」といった
自然の象徴と結びつく。
「優しく光った星達に
今なら伝えられる確かな
『ありがとう』」という言葉は、
過去を受け入れ、
感謝と共に未来へ進む姿勢を示している。
第3章 歌うことと存在の証明
少年
最後の方に
「怖くても歌を歌い続けられますように」
ってあるけど、
これって何を意味してるんだろう?
メロディウス
歌うことは、
語り手にとって存在そのものを
証明する行為だろう。
歌うことは、自分の痛みや感謝を表現し、
他者と共有する手段でもある。
怖さを抱えながらも歌い続ける姿勢は、
自己の存在を肯定し、他者との繋がりを
維持しようとする意志を示している。
少年
確かに、歌うことは
孤独を乗り越える手段でもあるよね。
そして、
「僕ら刻む時の中で
痛みはあるけれど、
愛しい日々で満たせるから」という部分が、
その意志の力強さを象徴している気がする。
メロディウス
その通りだ。
痛みは消えることはなくとも、
それを受け入れ、
愛しい日々で上書きすることで
人間は生きていける。
歌詞全体がこのテーマを通じて一貫している。
結論
少年
結局、この歌詞は
「過去を受け入れ、
未来に希望を持ちながら、
現在を生きる」ってことを
教えてくれているんだね。
約束や記憶、季節の移ろいを通して、
人間の感情をこんなにも
深く描けるなんてすごいな。
メロディウス
その通りだ、少年。
歌詞の語り手は、
自分の弱さや痛みを受け入れながらも、
それを乗り越えるために希望と
感謝を選んでいる。
私たちもこの歌詞を通じて、
過ぎ去る時間にどう向き合い、
どのように未来を形作るかを
考えるきっかけを得たのではないだろうか。