諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
Eve
Lazy Cat
について哲学的に考察していく。
- Eve「Lazy Cat」MV
- Lazy Catの歌詞
- 序論
- 第1章 自己否定と生きる矛盾
- 第2章 過去との対話
- 第3章 現在と未来へのまなざし
- 第4章 猫という象徴と“怠惰”へのまなざし
- 結論 矛盾を抱えた生き方への希望
Eve「Lazy Cat」MV
Lazy Catの歌詞
君の前で淡々と
小心者でいる
あぁしょうがないよな
この生き方しか
知らないでいる
10代ちょっと無駄にして
ただ20代ずっと無駄にして
馬鹿な後悔ばっか
蓋をして
くだんない人間昇華してさ
空っぽの優越感
使えない
プライドだけを残して
甘い誘惑へ 怠惰な
明日のことなど
意味などないぜ
こんなマイペースな僕でさえ
自分的に好きだったり え?
つまらない過去の話は
スルーにして
相性最悪の愛猫と喧嘩して
『あ、そう」
「まあいいじゃん」
多用 口癖
今日も笑ってるだけ
10年後なんて
一切覚えていないんだって
不確かな約束は飽き飽きで
君の目の前にはただ
陰がさす暗闇が待っていた
不甲斐無い夜を愛せたら
目を醒ませ今までの全てを
別に誰かの為になりたいとか
期待もされたくはないけど
どうしようもない
変わんないさ
だけどもう少し
なるようにはなるさ
君の目の前にはただ
陰がさす暗闇が待っていた
不甲斐無い夜を愛せたら
目を醒ませ今までの全てを
別に誰かの為になりたいとか
期待もされたくはないけど
どうしようもない
変わんないさ
だけどもう少し
なるようにはなるさ
序論
少年:
「メロディウス、この歌詞を読むと、
自分の生き方が不完全で
矛盾だらけだと感じている
人の心の声みたいに思えるんです。
10代や20代を“無駄にした”
と振り返りながらも、
どこかそれを許容しているような気がして。」
メロディウス:
「確かに、この歌詞は
自己嫌悪と自己受容が
交差している印象を受けるな。
しかし、単なる自己否定に終始せず、
変化への希望や可能性を
織り交ぜているのが興味深い。
少年、君が感じたように、
歌詞の中心には
『不完全さをどう受け入れるか』
という問いがあるようだ。」
少年:
「じゃあ、この歌詞を元に
“生きる意味”や“自己理解”
について深く掘り下げてみたいです。
章ごとに分けて話しませんか?」
メロディウス:
「いい提案だ。
では、歌詞の流れに
沿って考察を進めよう。
まずは、自分の無力感から始まり、
過去との向き合い、
そして未来への希望を見出す
プロセスを追ってみようか。」
第1章 自己否定と生きる矛盾
少年:
「冒頭の“君の前で淡々と
小心者でいる”という部分、
これって他者の視線を
意識して自分を抑え込んでいる感じですよね。
どうして人はこんなふうに、
自分を縛ってしまうんでしょう?」
メロディウス:
「それは人間の社会的な本能だよ。
他者の目を意識することで、
自己を客観視しようとする。
しかし、その結果、
自分の本音や本性を
抑え込んでしまうこともある。
歌詞全体で語られる“小心者”の姿は、
その内なる葛藤の象徴だ。
興味深いのは、
こうした矛盾を認めつつも、
それに囚われ続ける様子が
“しょうがないよな”という
言葉で描かれていることだ。」
少年:
「“この生き方しか知らないでいる”
というのも、ある種の諦めを感じます。
でも、僕はこの部分に
少し共感してしまいます。
自分が生きてきた道が
不完全だと分かっていても、
それ以外を選ぶ方法が分からないというか。」
メロディウス:
「その感覚は、過去に対する
後悔と未来への不安が交錯している証拠だろう。
10代や20代を
“無駄にした”という言葉は、
自分の歩んできた道を
否定する一方で、
その無駄を認めざるを得ないという
人間的な弱さの表れだ。」
第2章 過去との対話
少年:
「“馬鹿な後悔ばっか
蓋をして”という部分、
僕には過去の失敗を
見て見ぬふりしているように感じます。
でも、その失敗を受け入れることで
前に進めるんじゃないですか?」
メロディウス:
「その通りだ。
だが、人間は過去を
完全に受け入れるのが苦手だ。
失敗や後悔を直視することは、
自己否定に繋がるからな。
しかし、歌詞に込められたメッセージは、
こうした蓋をした過去さえも
自分の一部として昇華しようとする試みだ。
“くだんない人間昇華してさ”
というフレーズは、
過去の無駄を糧として
生きる道を示唆しているように思える。」
少年:
「でも、その過去が邪魔をして、
未来の選択肢を狭めることもありますよね。
“空っぽの優越感”や“
使えないプライド”って、
その象徴なんでしょうか?」
メロディウス:
「そうだな。
これらは自己防衛の名残だろう。
人は失敗を糧にすると言いながらも、
心の中にはまだ幼いプライドが残る。
それは時に無駄に思えるが、
それ自体も人間的だ。
過去との対話は、
こうした矛盾を受け入れることで成り立つ。」
第3章 現在と未来へのまなざし
少年:
「“こんなマイペースな
僕でさえ 自分的に好きだったり”
という部分、少し意外でした。
自分を嫌いながらも、
どこかで好きだと思える
瞬間があるってことですよね。」
メロディウス:
「その瞬間が重要なのだよ。
完全ではない自分を時折愛せること、
それが人間の救いだ。
この歌詞では、
不完全さの中にも生きる
価値を見出そうとする姿勢が表れている。
そして、歌詞の後半に進むにつれて、
“目を醒ませ 今までの全てを”
というフレーズが、
過去を断ち切り、
未来への新しい視点を持つ
重要性を語っているように感じられる。」
少年:
「それでも、
“別に誰かの為になりたいとか
期待もされたくはないけど”
という部分を見ると、
未来への意欲というより、
まだどこか受け身な印象も受けます。」
メロディウス:
「確かに、そこには
過剰な期待への反発がある。
しかし、
“だけどもう少し なるようにはなるさ”
という言葉に救いがあると思わないか?
期待される自分ではなく、
自分らしく生きるための
わずかな希望を見出しているのだろう。」
第4章 猫という象徴と“怠惰”へのまなざし
少年:
「そういえば、
歌のタイトルが“Lazy Cat”なのに、
猫そのものについては
直接的には
あまり語られていないですよね。
でも“相性最悪の愛猫と喧嘩して”
というフレーズがある。
これ、何か深い意味があるんでしょうか?」
メロディウス:
「猫という存在は、
しばしば自由や
気まぐれの象徴として描かれる。
だが、この歌詞に登場する
“相性最悪の愛猫”は、
主人公の生き方や性格と
対立しているようだ。
つまり、この猫は彼自身の中にある
“怠惰”や“自由を求める心”の
メタファーとして
読めるのではないだろうか。」
少年:
「自分自身と喧嘩しているようなものですか?」
メロディウス:
「その通りだ。
人間は怠惰を嫌いながらも、
それに惹かれるものだ。
猫のように自由で、
何ものにも縛られない
生き方を夢見ながら、
現実ではその自由を持て余してしまう。
だから、この愛猫との喧嘩は、
主人公が自分自身の
“怠惰”や“自由”をどう扱うか
葛藤している様子を
表しているのかもしれない。」
少年:
「“Lazy Cat”って
タイトルもそう考えると
意味深ですね。
怠惰そのものを猫という形にして
名付けた感じがします。」
メロディウス:
「そうだな。
猫はその自由気ままな
振る舞いゆえに愛されるが、
同時に自分の思い通りには
ならない存在でもある。
それは、人が抱える
“なりたい自分”や
“ありのままの自分”の
矛盾に似ている。
歌詞全体に散りばめられた
葛藤や不完全さは、
この猫という象徴に
凝縮されているのかもしれない。」
少年:
「でも“相性最悪”と
ついているところが
少し気になります。
主人公は自分の中の猫的な部分、
つまり怠惰や自由を
どうにか受け入れられないってことですか?」
メロディウス:
「必ずしも拒絶している
わけではないだろう。
喧嘩するほど近い関係、
とも言える。“愛猫”と呼ぶことで、
完全に否定しているのではなく、
むしろその存在を
受け入れている部分も感じられる。
この歌詞全体を通じて伝わるのは、
怠惰や矛盾を含む自分の欠点を
否定するのではなく、
それらを含めてどう付き合っていくか、
というテーマだ。」
少年:
「じゃあ、猫は主人公が
向き合うべき相手でありながら、
ある意味で一緒に生きていく
相棒のような存在なんですね?」
メロディウス:
「そうだ。
猫的な気まぐれや怠惰は
人間の本能に近い部分だ。
主人公が“目を醒ませ
今までの全てを”と語るとき、
それは怠惰を
振り払おうとするのではなく、
それを含めた自分を
新たに見つめ直そうとしているのだろう。
このタイトルが“Lazy Cat”であるのも、
その怠惰な自分を否定するどころか、
ある種の愛おしさを持って
受け入れているからではないかと思う。」
少年:
「自分の中の猫を愛しつつ、
喧嘩もしながら、
共存していく
そんな姿勢が
この曲の核にあるのかもしれませんね。」
メロディウス:
「そうだな。
猫はただ怠惰の象徴に留まらず、
人間の多面性や矛盾の象徴でもある。
主人公がこの愛猫と向き合うことで、
少しずつ自分自身を受け入れ、
より自然体で生きる道を探ろうとしている。
それこそが、
この歌の示す哲学的な
メッセージではないだろうか。」
結論 矛盾を抱えた生き方への希望
少年:
「結局、この歌詞って
自分の不完全さを受け入れることが
テーマなんでしょうか?」
メロディウス:
「その通りだ。
この歌詞は、過去、現在、未来の
自分を見つめ直し、
それぞれの不完全さを認めつつも、
それらをすべて抱えたまま
生きることの美しさを語っている。
不完全な自分であっても、
それを愛し、変化の可能性を
信じる姿勢が感じられる。」
少年:
「つまり、生きる意味は、
完璧になることではなく、
不完全さの中で
希望を見つけることにある、と?」
メロディウス:
「その通りだ。
そして、この歌詞のように、
矛盾や迷いを抱えながらも、
自分なりのペースで生きることこそが、
最も人間らしい生き方なのかもしれない。」
少年:
「なんだか少し気持ちが軽くなりました。
完璧を求めなくてもいいんですね。」
メロディウス:
「そうだよ、少年。
君のペースで、
不完全さを愛していけばいい。」