諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
キヨ
オッドストーリー
について哲学的に考察していく。
- キヨ「オッドストーリー」MV
- オッドストーリーの歌詞
- 序論 オッドストーリーの哲学的風景
- 第1章 流れる時間と日常の奇跡
- 第2章 人間の成長と不安という問い
- 第3章 再会と絆の哲学
- 第4章 変化しながら変わらない自己
- 結論 君と見た景色は色褪せない
キヨ「オッドストーリー」MV
オッドストーリーの歌詞
ねえ自分
人生に称賛なんて
褒めたいもんはないが
あっというまだったな
放課後の居場所が
帰り道のアイスが
ふと昨日のように
あの日々を綴った
時は止まんないんだ
うまく歩けやしないさ
まだ寝そべったまんま
それでもいいや
今日は時には複雑だって
答えはシンプルだって
振り返ることもないまま
がむしゃらに追いかけた
僕ら最短距離では
辿り着けなかったから
そして今再会したいのは
君じゃなきゃないと思うのは
どこまでも
さあいこう
色褪せることなどない未来
これから訪れる時が流れても
春風仰いで
僕ら繋がっていけるから
さあいこう
これからも変わることのない
自分でいたいから
ほんの少しの勇気を宿していて
始まりはここから
繰り返しの日常が
それは普通のことで
当たり前のようで
繋がり会えた
奇跡みたいな魔法
空欄の解答用紙が
書いては消した文字が
あなたにとって
何が大切になったのか
大人になったのか
変わり果てゆく日々に
漠然と不安を抱いた
僕らたった1人では
辿り着けなかったから
そして今再会したいのは
誰1人おいていかないように
君と
口ずさめばほら
ラララ
僕ら迷ったら
ラララ
目印にしておかえり
いつでもここに帰っておいで
さあいこう
色褪せることなどない未来
これから訪れる時が流れても
春風仰いで
僕ら繋がっていけるから
さあいこう
これからも変わることのない
自分でいたいから
ほんの少しの勇気を宿していて
君と見た景色を覚えていて
序論 オッドストーリーの哲学的風景
『オッドストーリー』の歌詞は、
一見すると青春の情景や
再会の希望を歌っているように見えます。
しかし、その内には「日常の奇跡」、
「時間の流れ」、「不安」、
そして「自己のアイデンティティ」といった
普遍的な哲学的問いが潜んでいます。
本考察では、歌詞の各要素を
哲学者たちの理論とともに紐解き、
人生の根本的な意味を探究していきます。
第1章 流れる時間と日常の奇跡
1 「時は止まんない」―時間の不可逆性
「時は止まんないんだ」という歌詞は、
時間が不可逆的に進むという事実を語っています。
これは、アウグスティヌスが
『告白』で語った
「現在は常に過去になり、
未来は即座に現在に変わる」
時間意識に通じます。
人間は時間を止められないが、
その移ろいゆく瞬間の中で
意味を見出そうとするのです。
2 「当たり前」と「魔法」―日常と奇跡の相克
日常の平凡さの中に
「奇跡のような魔法」が存在するという歌詞は、
「見慣れた風景にも驚きが潜む」という
思想を思い起こさせます。
日常とは繰り返しの中にあって、
しばしばその価値に気づけません。
にもかかわらず、
ふとした瞬間に私たちは
「当たり前」の中に奇跡を見出します。
第2章 人間の成長と不安という問い
1 大人になるとは―ヘーゲルの自己形成
「大人になったのか」という問いは、
ヘーゲルの自己形成の概念を連想させます。
人間は、自己と世界との対話を通して、
絶えず自分を変化させながら
成長していきます。
大人になるとは、
単に年を重ねるのではなく、
自己を認識し、
他者と関係を築くことを意味します。
2 「漠然と不安を抱いた」―ハイデガーと不安の本質
「変わり果てゆく日々」に対する
漠然とした不安は、
「不安」の概念と共鳴します。
不安は、自己の存在が
不確定であることに由来しますが、
その不安こそが自己の可能性を開く契機となるのです。
第3章 再会と絆の哲学
1 「一人では辿り着けない場所」―アリストテレスの友愛論
「僕らたった1人では辿り着けなかった」
という言葉は、
「友愛」の概念を思い起こさせます。
人は、他者との関係性の中で
初めて自分の可能性を実現し、
到達できる場所があるのです。
2 目印としての「おかえり」―ルソーの共同体的回帰
「迷ったら目印にしておかえり」
というフレーズは、
ルソーの「自然状態への回帰」に似た
共同体的な回復を思わせます。
人は孤独を超えて、
再び他者とつながることによって、
自己を再確認するのです。
第4章 変化しながら変わらない自己
1 「変わらない自分でいたい」―キルケゴールの実存
「これからも変わることのない自分でいたい」
という願望は、
彼は、人間が「絶望」に
直面しながらも、
自分の真の姿を見出すことが
実存だと説きました。
自己の一貫性を保ちながらも、
変化する世界に向き合う
姿勢が問われています。
2 未来への一歩―勇気の哲学とサルトルの自由
未来への挑戦には
「ほんの少しの勇気」が
必要だという歌詞は、
サルトルの「自由は選択の重圧である」
という思想に響きます。
人は自由の中で自分を選択し
続けなければならない存在です。
その自由を生きるためには、
勇気を持つことが不可欠です。
結論 君と見た景色は色褪せない
「君と見た景色を覚えていて」
という結びは、
ハイデガーの「存在の忘却」に抗う
姿勢を想起させます。
人間は過去を忘れることで
未来を生きますが、
同時に思い出を保持することで
自分の存在を確認します。
たとえ時間が流れても、
共に分かち合った景色は
色褪せることなく、
私たちを支え続けるのです。
『オッドストーリー』は、
過ぎ去った日々を振り返りながらも、
未来に向かって
歩む人間の姿を描いた哲学的物語です。
それは、不安を抱えつつもつながりを求め、
変化の中で変わらない自分を
見つけ出すための旅なのです。
※すべてはメロディウスの趣味内での解釈となっておりますのでご了承ください。