音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【考察】FANTASTICS/God boost 仮面ライダーガヴ主題歌 歌詞の意味を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

FANTASTICS

God boost

について哲学的に考察していく。

FANTASTICS「God boost」MV

www.youtube.com

God boostの歌詞

まぶしくて戻らない瞬間
もう誰にも奪わせない
そんな世界かなえるため
Got-Boo-Got 
Got-Boo-Got
エナジーGot Boost?
誰の毎日も
同じじゃないからさ
Honey &Vanilla 
ときどきBitter
気持ち味わってく
出会って別れ幾千の人の流れ
君は感情にピンを立てて
少しだけでも笑顔を
On the top
飾ろうと
Runnin' to Runnin' to somewhere
Where do you go?
他人事には敏感なのに
自分事には鈍感後回し気味
まるでどっか遠くに
忘れ物したみたい
Hurry Hurry
急いで間に間に合うように
テイスティング 
酸いも甘いも誰かの永遠の1秒
まぶしくて戻らない瞬間
もう誰にも奪わせない
そんな世界かなえるため
強くなろうとして
Never enough nough nough
Make someone laugh laugh laugh
そして
Tough Tough Toughに
なってく
きっと未来の幸せは
分け合えば膨らむ 
Like a Bubble-Gum

 

序論

「God boost」は、瞬間の儚さと強さ、
そして未来の幸せを
目指す姿勢を描いた歌詞である。
 
本考察では、この歌詞の奥に潜む
哲学的なテーマを探求し、
各セクションを哲学者の言葉を引用しながら解釈する。
 

第一章 瞬間の不可逆性―「まぶしくて戻らない瞬間」の存在論

 
「まぶしくて戻らない瞬間」とは、
私たちが時間の流れの中で
決して取り戻せない一瞬のことを指す。
 
このテーマは、ヘーゲルが語った
「生成と消滅」に通じ、
現実は常に変化し、瞬間は記憶に変わるものだ。
 
「今とはすでに過ぎ去りつつあるものだ。」― ヘーゲル
 

第二章 「奪わせない世界」への意志とニーチェの「力への意志

「もう誰にも奪わせない」
という歌詞には、
ニーチェ力への意志の精神が宿る。
 
自己の世界を守り、
自らの価値を創造する姿勢が
ここに表現されている。
 
「生とは、自己を超えて進みゆく意志である。」― ニーチェ
 

第三章 多様な味わいの人生―バラ味の感情とミルの快楽主義

Honey & Vanilla ときどき Bitter」
というフレーズは、
人生が甘い瞬間だけではなく、
苦さも含むことを示唆する。
 
快楽主義においても、
様々な質の快楽が豊かな人生の要素となる。
 
「人は、低い満足よりも高い苦しみを選ぶことができる。」― ミル
 

第四章 「自分事」と「他人事」の錯覚―サルトル的責任論の視点から

 
「他人事には敏感なのに自分事には鈍感」
という歌詞は、
サルトル「他者と自己」
相互関係を思わせる。
 
他者に敏感であることは
自己理解の一部でありながら、
自分の課題を回避する傾向もある。
 
「他人は私の地獄である。」― サルトル
 

第五章 「Hurry Hurry」―時の圧力とハイデガーの「存在と時間

時間に追われる感覚は、
ハイデガー「現存在」
「死への存在」であることを思い起こさせる。
 
人は限られた時間を意識しながらも、
その流れに焦燥感を覚える。
 
「時間とは私たちが存在する仕方である。」― ハイデガー
 

第六章 永遠の1秒―瞬間の永遠性とアウグスティヌスの時間論

 
「誰かの永遠の1秒」という言葉には、

「現在の持続」が示唆されている。

 

一瞬一瞬が永遠と繋がる可能性を秘めている。

 
「過去も未来も、現在の中に存在する。」― アウグスティヌス
 

第七章 笑いと強さ―スピノザの「喜び」と「持続」の倫理

 
「Make someone laugh」
「Toughになってく」とは、
スピノザ「喜びの増大」による
自己強化のプロセスである。
 
他者との笑いを通じて、
自己の存在も拡張されていく。
 
「喜びとは、自己の力が増大することである。」― スピノザ
 

第八章 未来の幸せと「分かち合い」―バタイユの贈与論との共鳴

「幸せは分け合えば膨らむ」
という歌詞は、
バタイユ「贈与論」と重なる。
 
分かち合うことで幸福は
消費されるのではなく、
増殖するという考え方だ。
 
「真の贈与は、期待せずに与えることである。」― バタイユ
 

結論 「God boost」の哲学的到達点

「God boost」は、
瞬間の美しさと
失われゆくものへの執着、
他者とのつながりを通じた
成長と強さを謳っている。
 
それは、存在の儚さを受け入れながらも、
自らの意志で世界を築くことへの招待である。
 
本楽曲は、私たちに
「今この瞬間を味わい尽くし、
共有し、未来へと強く進む」ことを促す。
これはまさに、
哲学が求める生き方そのものである。
 
※すべてはメロディウスの趣味内での解釈となっておりますのでご了承ください。