音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【考察】&TEAM/十五夜 歌詞の月より巨大な夢の意味は?「あなた」への愛を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

&TEAM
十五夜

について哲学的に考察していく。

&TEAM「十五夜」MV

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十五夜の歌詞

他の誰かじゃなくて
あなたとじゃなきゃダメ
そばにいるだけで
何だって僕ら叶えられるよね
満月の十五夜
あなたと眺めていたまるで
映画のワンシーン
耳打ちし合う本心
あの月より巨大な
夢が胸に実った
輝きを増す Moonlight
忘れられない Fall night
他の誰かじゃなくて
あなたとじゃなきゃダメ
そばにいるだけで
何だって僕ら叶えられるよね
僕を見るあなたの目
あなたが映るこの目
不思議なくらいに
今夜はなぜか逸らせず
魅せられる
本当のことを言うと
前は自分自身を
どこか信じてなくて
でもあなたと出会って
手を取り合うたびに
心触れるたびに
できないことはないと
手を取り合うたびに
心触れるたびに
できないことはないと
本気で今思うよ
他の誰かじゃなくて
あなたとじゃなきゃダメ
そばにいるだけで
何だって僕ら叶えられるよね
囃し立てる虫の音
爽やかに吹く夜風
出来すぎなほどに
今夜すべてが
僕らを抱きしめてくれる
伝えてOver and over...again
同じ気持ちって
僕らはOver and over..again
夢を広げていく
他の誰かじゃなくて
あなたとじゃなきゃダメ
そばにいるだけで
何だって僕ら叶えられるよね
僕を見るあなたの目
あなたが映るこの目
不思議なくらいに
今夜はなぜか逸らせず魅せられる

 

序論 満月の光のもとで愛と自己の融合

十五夜」は、月が満ちる夜において

「あなた」との関係が

いかに自己の完成へ導くかを歌っています。

 

この歌詞に表れるのは、

愛と夢の実現を通じた

深い人間関係の意味です。

 

「他の誰かじゃなくて

あなたとじゃなきゃダメ」という言葉に、

個と個がただの偶然の存在ではなく、

相互に不可欠なものとして

結びつく構図が浮かび上がります。

 

ここには、互いを補完する関係性の中で

自己が拡張され、夢が実を結ぶというテーマが見えます。

 

第一章 他者としての「あなた」―「我と汝」

「他の誰かじゃなくて

あなたとじゃなきゃダメ」

というフレーズは、

哲学者マルティン・ブーバー

『我と汝』に通じます。

 

ブーバーは、真の関係とは互いが

「物」ではなく「汝」として

出会うときに成立すると述べます。

 

この歌詞における

「あなた」との結びつきは、

単なる偶然の出会いではなく、

世界の中で唯一の「汝」としての

他者との関係を表しています。

 

「耳打ちし合う本心」の瞬間は、

ブーバーが言う「我‐汝」の関係において

相互の本質が解放される体験そのものでしょう。

 

「その 月より巨大な夢」とは、

互いに「汝」として

出会うことで可能となる、

個を超えた夢の開花を示唆しています。

 

第二章 自己の目覚め―「他者のまなざし」と自由への挑戦

「僕を見るあなたの目、

あなたが映るこの目」に

表現される視線の交錯は、

ジャン=ポール・サルトル

「他者のまなざし」を思い起こさせます。

 

サルトルは、他者の視線を受けることで

自己が客体化され、

その中で自己が

新たな自覚に至ると説きました。

 

この歌詞における

「不思議なくらい逸らせない」視線は、

まさに自己の覚醒の瞬間です。

 

かつて

「自分自身をどこか

信じていなかった」過去から、

「あなた」との出会いによって

変わる自分の姿。

 

これは、他者の存在が自己の限界を押し広げ、

自由の可能性をもたらすという

サルトルの主張を反映しています。

 

「手を取り合うたびに

心触れるたびにできないことはない」

と信じる力は、

自他の関係を通じて

自己が自己を超えていく自由の表現です。

 

第三章 夢の実現と共生―「友愛と幸福」

「そばにいるだけで

何だって僕ら叶えられる」というフレーズは、

アリストテレス

『ニコマコス倫理学における

「友愛」に通じます。

 

アリストテレスにとって、

真の幸福は自己充足にあるのではなく、

他者との共生を通じて実現されます。

 

この歌詞が描く

「あなた」との関係は、

夢の実現が個人の力に

依存するのではなく、

相互の支え合いによって

初めて可能となることを示唆しています。

 

虫の音や夜風といった自然の描写は、

私たちが「共にある」瞬間をより鮮明にし、

人生の一瞬一瞬にこそ

幸福が宿ることを思い起こさせます。

 

第四章 宇宙的つながりの美学―「世界-存在」の響き

「今夜すべてが僕らを抱きしめてくれる」

という表現は、

ハイデガー「世界-存在」

概念に通じます。

 

ハイデガーは、私たちが存在する世界は、

単に物質的な対象の集まりではなく、

互いに響き合う存在の場だと考えました。

 

この歌詞において、

十五夜」の夜は単なる時間ではなく、

愛と夢の実現を含む

全ての経験が響き合う

「世界」として描かれています。

 

「伝えてOver and over…again」

という表現は、無限を思わせます。

 

それは私たちの関係が

一回限りの偶然ではなく、

宇宙的なサイクルの中にある

永遠の響きであることを暗示しているようです。

 

結論 夜風と虫の音に包まれて―有限の中の無限への歩み

この歌詞が伝えるのは、

限られた人生の中で互いを見つけ出し、

手を取り合って夢を叶えることの美しさです。

 

ブーバーの「我と汝」、

サルトルの「他者のまなざし」、

アリストテレスの友愛、

そしてハイデガーの「世界」の哲学は、

すべてこの歌詞のテーマと共鳴しています。

 

十五夜」の夜に映し出されるのは、

他者との関係の中で自己が拡張し、

夢が実現されるという人生の真理です。

 

私たちは有限の存在でありながら、

他者との関係を通じて

無限の可能性を感じることができます。

 

「そばにいるだけで

何だって僕ら叶えられる」

という言葉には、

まさにその真実が宿っています。

 

それは、今この瞬間が

二度と戻らないものでありながら、

互いの中に響き続ける無限の力があるということです。

 

※すべてはメロディウスの趣味内での解釈となっておりますのでご了承ください。