音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【歌詞考察】池内ヨシカツ/川崎鷹也/Anata(アナタ) この曲の意味とは?エモく心地よいサウンドに乗せた歌声の音楽を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

池内ヨシカツ×川崎鷹也
Anata

について哲学的に考察していく。


 

池内ヨシカツ×川崎鷹也「Anata」MV

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Anataの歌詞

Another 物足りない
朝が来るまで無限に思えて
あの夢の向こう側
あなたと出会えたなら
光差す
I'll play for you
降り止まない雨の中も
乗り越えられない高い壁も
それすらも2人の物語へと
いつの日にか語り合う
Beautiful Smile
揺れる胸の高ぶり
踊り回る世界で宙に舞う
笑って笑った あの頃
怖さも弱さも
投げ捨てて歩いていた
あなたがいる あなたといる
Another
いつからだろう
朝が来るたびあなたを思うの
あの夢の向こう側 
あなたと出会えたから
光出す I'll stand by you
鳴り止まない音の中を
手を取り
掻き分けて泳いでゆく
気づけばいつも
傍に居たあなたを
いつの日にか振り返る
Beautiful Smile
触れる頬の温もり
踊り回る世界で
巡り合う
笑って笑った今でも
怖さも弱さも 
2人で乗り越えてきた
あなたがいる
あなたといる
眠れぬ夜を越え
朝まで語り合う
寄り道回り道さえも
We love
Beautiful Life
揺れる胸の高ぶり
踊り回る世界で
宙に舞う
笑って笑った
あの頃
怖さも弱さも
投げ捨てて歩いていた
あなたがいる
あなたといる
怖さも弱さも
2人で乗り越えてきた
あなたがいる
あなたといる
音の鳴る方へ


序論

少年
「この歌詞を読んでると、

胸が締め付けられるんだ。

 

『あなたがいる』とか『光差す』とか、

何か特別な存在に出会ったときの

感情が描かれてる気がする。

 

でも、どうして人はそんなに

『誰か』を求めるんだろう?」

 

メロディウス
「少年よ、それは人が孤独を

恐れる存在だからだ。

 

だが、単なる孤独の

埋め合わせではない。

 

『誰か』との出会いは、

自分の中に新たな光をもたらし、

人生を新たな物語へと変える力を持つ。

 

この歌詞は、その変容の物語のように思える。」

 

少年
「変容の物語…?

じゃあ、この『あなた』って、

単に恋人とか大切な人って意味じゃないの?」

 

メロディウス
「そうとも限らない。

 

この歌詞の『あなた』は、

個人を超えた何かを

象徴している可能性もある。

 

愛、希望、未来の自分、

あるいは、まだ見ぬ可能性…。

 

少年よ、我々の対話で、

この歌詞の真意を掘り下げていこうではないか。」


 

第1章 愛と出会いの哲学

少年
「歌詞の中で、

『あなたと出会えたなら』とか

『あなたがいる』って、

出会いがすごく強調されてるよね。

 

でも、出会いって何なんだろう?

 

どうしてそれが人生を変えるほど大事なの?」

 

メロディウス
「少年、出会いとは

単なる偶然の交差ではない。

 

哲学者マルティン・ブーバー

『我と汝』の中で、

真の出会いを『我と汝の関係』と表現した。

 

これは、相手を単なる手段ではなく、

自分と同じように独立した

存在として見ることだ。

 

歌詞の『あなた』は、

まさにそのような存在に見える。

光を差し込み、物語を生む存在だ。」

 

少年
「ただの『知り合い』とは

違うってことだよね?

じゃあ、この『あなた』が

いないときはどうなるの?」

 

メロディウス
「それこそが『物足りない朝』だ。

 

人は出会いを通じて、

自分の世界を広げる。

 

だが、『あなた』がいない朝は、

無限のようでいて空虚だ。

夢を見ることはできても、

それを実現し、意味を与える存在がいないからだ。」


 

少年
「それじゃ、『あなた』が

いることで夢の向こう側に行けるんだね。

 

『光差す』っていうのも、

そういう意味かな?」

 

メロディウス
「そうだ。

この光とは、相手を通じて

見える新たな可能性だろう。

 

だが重要なのは、光を与える存在に

気づけるかどうかだ。

 

人は往々にして、

何かを失うまで

その価値を理解しないからな。」

 

少年
「失って初めて気づく…。

確かに僕も、友達とケンカしたとき、

初めてその大切さがわかったよ。」

 

メロディウス
「まさにそうだ。

 

だが、この歌詞が描くのは

単なる喪失ではない。

 

出会いを契機に、

世界がどう変容していくのかだ。

 

歌詞にある『降り止まない雨』

『乗り越えられない高い壁』とは、

人生の困難を象徴している。

 

それすらも『物語』へと変えるのが、

『あなた』との関係の力だ。」

 

少年
「困難さえ物語になる…。

なんだか不思議だね。

 

でも、そんな力があるなら、

僕もそういう出会いをしてみたいな。」

 

メロディウス
「出会いは準備された者に訪れるものだ。

 

だが、それが偶然か必然かは、

我々の意識がどれだけ

開かれているかにかかっている。

 

では次に、この歌詞に描かれる

『弱さ』と『怖さ』について考えてみよう。」


 

第2章 弱さと怖さを乗り越える力

少年
「『怖さも弱さも投げ捨てて歩いていた』

ってあるけど、

怖さや弱さって

そんな簡単に捨てられるものなのかな?

 

僕、怖いときって動けなくなるんだ。」

 

メロディウス
「少年、それは自然な感情だ。

怖さや弱さを否定する必要はない。

 

それらは人間であることの証でもある。

 

重要なのは、それをどう乗り越えるか、

あるいは、それらとどう共存するかだ。

 

この歌詞は、

怖さや弱さを否定するのではなく、

それらを『2人で乗り越える』

と語っているのが鍵だ。」

 

少年
「2人で…か。1人じゃなくて?」

 

メロディウス
「そうだ。1人では

立ち向かえない困難も、

他者とのつながりがあれば可能になる。

 

この歌詞の『あなた』は、

単なる癒しの存在ではなく、

共に困難を超えていく存在だ。

 

哲学者ガブリエル・マルセルは、

『愛は共に存在すること』と説いた。

 

愛とは単に寄り添うだけでなく、

互いに成長する力でもある。」


 

少年
「じゃあ、『弱さ』や『怖さ』って、

乗り越えた先に何があるんだろう?」

 

メロディウス
「それは、この歌詞の

『Beautiful Smile』が象徴している。

 

笑顔とは、苦しみを経た者が

最後に得る報酬のようなものだ。

 

それは単なる幸福の象徴ではなく、

すべてを乗り越えた強さと平穏の象徴だ。」

 

少年
「確かに、笑顔って何かを

乗り越えたときに自然と出てくるものかも…。

 

でも、怖さや弱さを一緒に乗り越える

『あなた』がいるからこそ、

それができるんだね。」

 

メロディウス
「そうだ。歌詞にある

『2人の物語』とは、

弱さや怖さを抱えたまま、

それでも共に進んだ軌跡だ。

 

人は完全である必要はない。

 

むしろ、弱さや怖さがあるからこそ、

他者とのつながりが生まれ、

そのつながりが人生を豊かにする。」

 

少年
「じゃあ、怖さや弱さを

恥じる必要はないんだね。

 

むしろ、それがあるから

『あなた』との物語が生まれるってことなんだ。」

 

メロディウス
「その通りだ。

人生の困難を否定するのではなく、

それを物語の一部と捉え、

『あなた』と共に進む。

 

それがこの歌詞の描く哲学だ。

 

そして次は、人生を

『踊り回る世界』として捉える

視点について考えてみよう。」


 

第3章 踊り回る世界と人生のリズム

少年
「『踊り回る世界で宙に舞う』って、

なんだか楽しそうなイメージだよね。

 

でも、実際の人生って

そんなに簡単じゃない。

 

辛いこともあるのに、

どうして『踊る』なんて言えるんだろう?」

 

メロディウス
「良い問いだ、少年よ。

 

この『踊り回る』という表現には、

人生を静止せず、

流動的なものとして

捉える視点が込められている。

 

人生には困難も喜びも混ざり合っている。

 

だが、ダンスのようにリズムを掴むことで、

どんな状況も美しく意味あるものに変えられる。」

 

少年
「リズムを掴む…か。

 

確かに、踊りだとリズムが

ないと足がもつれちゃうよね。

 

人生にもそういう

リズムみたいなものがあるの?」

 

メロディウス
「人生のリズムとは、

心の調和や環境との共鳴だ。

この歌詞にある『音の鳴る方へ』は、

そのリズムに従う象徴的な表現だろう。

 

困難の中でも、

耳を澄ませば響く何かがある。

 

それは希望の音、他者の声、

あるいは自分の内なる感覚かもしれない。」


 

少年
「じゃあ、『音の鳴る方』を

見つけることが大事なんだね。

でも、それってどうやったら

わかるんだろう?

迷ってしまったら…?」

 

メロディウス
「迷いもまた、

人生のリズムの一部だ。

重要なのは、止まらずに前進すること。

 

『宙に舞う』という言葉は、

完全にコントロールできない状況を

楽しむ心の自由さを象徴している。

 

音に身を委ね、踊るように生きるとは、

計画通りにいかない

人生を受け入れる態度でもある。」

 

少年
「確かに、踊るときって

あまり深く考えないよね。

リズムに任せるってことなのかな。」

 

メロディウス
「その通りだ、少年。

 

人生を踊りと捉えたとき、

すべてはリズムと流れになる。

 

嬉しいことも辛いことも含めて、

人生を一つの舞台と見なし、

自由に表現することができる。

 

この歌詞の中では、

それが『あなた』との出会いを

契機に始まったように描かれている。」

 

少年
「踊るように生きるって、

ちょっとカッコいいね。

 

僕もそんな風に、困難にも負けずに進みたいな。」

 

メロディウス
「それが、この歌詞の哲学だろう。

 

踊り続けることで、

人生にリズムと美しさが生まれる。

そして、すべてが物語として完結したとき、

『Beautiful Smile』で振り返ることができる。

 

次に、この歌詞の結末で語られる

『音の鳴る方へ』についてさらに深く掘り下げよう。」


 

結論 音の鳴る方へと続く人生の美しさ

少年
「結局『音の鳴る方へ』って、

この歌詞の中で何を意味してるんだろう?

 

それが人生の終わりでも、

何かの始まりでもあるように思えてきた。」

 

メロディウス
「少年、それは終わりであり、

同時に新たな始まりでもある。

 

『音の鳴る方へ』とは、

人生が持つリズムそのものへの信頼だ。

 

人は音のない静寂に不安を覚えるが、

どんな状況でも耳を澄ませば、

自分を導く音が聞こえてくる。

 

この歌詞は、迷いや困難を経ても、

その音に向かい進み続ける姿勢を讃えている。」

 

少年
「迷いながらも進むって、

ちょっと怖いけど、

なんだかワクワクもする。

 

もしかして、この歌詞って、

人生そのものを表しているのかな?」

 

メロディウス
「その通りだ、少年。

 

この歌詞が語る『あなた』との出会い、

困難を乗り越える力、

踊るように生きる姿勢は、

人生の縮図だろう。

 

そして最後の『音の鳴る方へ』は、

自分が信じた道、希望、

愛へ向かう決意を表している。」

 

少年
「じゃあ、『あなた』って、

もしかして自分自身でも

あり得るのかな?

 

自分の可能性とか、未来の自分とか。」

 

メロディウス
「よく気づいたな、少年。

 

『あなた』は、特定の他者だけでなく、

自分の内なる声や、未来の自分、

あるいは世界そのものを

象徴しているかもしれない。

 

結局のところ、

この歌詞は出会いと

変容の物語を描きながら、

それを通じて自分自身の

人生を愛し、受け入れることを教えている。」

 

 

少年
「怖さや弱さも含めて、

自分や誰かと向き合いながら進んでいく…。

 

それが、この歌詞の

『Beautiful Life』ってことなんだね。」

 

メロディウス
「そうだ。

そしてその人生には必ずリズムがあり、

音が鳴り続けている。

 

迷ったときこそ耳を澄まし、

『音の鳴る方へ』進むのだ。

人生は、完璧でなくとも

美しい物語であることを忘れずに。」