諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
Eve
ティーンエイジブルー
を哲学的に解説していく。
- Eve「ティーンエイジブルー」MV
- ティーンエイジブルーの歌詞
- 1. 序論: 青春の本質と「アオ」
- 2. 過去と未来の交差点
- 3. 無常と愛おしさ — 時間の哲学
- 4. 友情と共有 — 分かち合う意味
- 5. 成長と喪失 — 自己の変容
- 6. アオの象徴としての青春
- 7. 結論: 永遠に続くティーンエイジブルー
Eve「ティーンエイジブルー」MV
ティーンエイジブルーの歌詞
君はどんなふうに歩いていくのかい
この先を描く未来を担い
順風満帆な航海じゃ
何も感じ得なかった僕がいたんだ
いつもの交差点花通りの向こう
まだ白く染まる息が落ちて
頭上を駆け抜けるひこうき雲
追いかけ走った消えちゃう前に
たまによそ見しちゃうけれど
遠回りしたって行こうぜ
はんぶんこにした音を分け合って
2人で口ずさんだ歌を覚えてる
無我夢中になっていたバイバイの代わりを
探していたいつのまにか僕ら
大人になってしまうまでの黄金の日々も
瞬間が全部愛おしかった振り返る暇もないまま
言えなかった言葉は今もそうやって僕らアオに染まっていく
時が止まるような春だった
少し前進した夏模様
秋を覗かせる金木犀と下校中の空は冬を告げたんだ
遠く空を仰いでは互いに寄りかかって行こうぜ
はんぶんこにした肉まん頬張って
ふざけあった日々も全部覚えてる
好きが嫌いになったこと諦めてしまったもの正しいと突き進んだ
自分の根拠ない自信さえも
全てが糧になっていた意味ないものなどないんだから
このアオの底から涙を拭いてこの痛みも連れていくよ
夢に見た光景はない今も思いを馳せるよ
あの日の期待も後悔も全部繋がっているから
真っすぐな瞳の先へ
無我夢中になっていたバイバイの代わりを探していた
いつのまにか僕ら大人になってしまうまでの黄金の日々も
瞬間が全部愛おしかった振り返る暇もないまま
言えなかった言葉は今もそうやって僕らアオに染まっていく
だから今もアオを抱いて歩んでいける
1. 序論: 青春の本質と「アオ」
「アオに染まっていく」
という表現は、
青春という人生の一時期が、
私たちの存在の深奥に刻まれる様を象徴しています。
この「アオ」は、
無垢さや可能性を象徴すると同時に、
成長による痛みと喪失の色でもあります。
ここにあるのは、「存在とは何か」という問いです。
ハイデガーが言うように、「存在は時間である」。
青春とは、
時間の流れの中で自己を見出す過程であり、
この「アオ」はその象徴です。
2. 過去と未来の交差点
「いつもの交差点」や
「まだ白く染まる息」といった描写は、
過去と未来が交差する瞬間を示しています。
過去は形作られたものであり、
未来は未だに形成されていないものです。
しかし、カントが示すように、
我々の意識は常に「現在」を中心に、
過去と未来を想像し、思索します。
「ひこうき雲を追いかける」という行為は、
常に変化し続ける世界で、
未来を追い求める私たちの存在を示唆しているのです。
3. 無常と愛おしさ — 時間の哲学
「瞬間が全部愛おしかった」
というフレーズには、
時間の流れの中で何もが移り変わり、
無常であることが示唆されています。
ヘラクレイトスが述べた
「同じ川に二度入ることはできない」という思想は、
まさにこの瞬間を捉えています。
青春の一瞬一瞬は、
もう二度と戻らないからこそ愛おしく、
同時にその儚さに我々は心を打たれるのです。
4. 友情と共有 — 分かち合う意味
「はんぶんこにした音を分け合って」
という表現は、
友情や共有の意味を深く考察する余地を与えます。
アリストテレスは、
「友とはもう一人の自分である」
と述べました。
友情は、自己の存在を他者と共有することで
自己を確認する行為です。
音楽や思い出を分かち合うことで、
私たちは共に時を過ごし、互いの存在をより深く理解します。
5. 成長と喪失 — 自己の変容
「無我夢中になっていた
バイバイの代わりを探していた」とあるように、
青春期における成長は、常に喪失を伴います。
ニーチェが述べた
「力への意志」のように、
私たちは未来に向けて
成長し続けようとする意志を持っていますが、
その過程で過去の自己や純粋さを失ってしまうのです。
しかし、それは避けられない過程であり、それが成長の証でもあります。
6. アオの象徴としての青春
「僕らアオに染まっていく」
という表現は、
青春が個々の人生における
一つの決定的な色として存在することを示唆しています。
この「アオ」は、単に若さの象徴ではなく、
経験と共に成熟していく人間の姿を表します。
ハイデガーの「世界‐内‐存在」によれば、
人は常に世界との関係の中で自己を構築します。
この青は、私たちが青春を通して
どのように自己を形成し、世界に参与していくかの象徴です。
7. 結論: 永遠に続くティーンエイジブルー
「だから今もアオを抱いて歩んでいける」
という終わりのフレーズは、
青春が終わった後も、
その影響が私たちの中に
残り続けることを示唆しています。
この「ティーンエイジブルー」は、
単なる懐古ではなく、
永遠に続く存在の問いかけです。
サルトルの「実存は本質に先立つ」
という言葉に表されるように、
私たちは常に
自らの存在を形成し続けるものであり、
その過程で青春の経験は決して消えることのない影響を与えます。
このように、
『ティーンエイジブルー』は
青春という時期を通して、
存在の本質や時間の流れ、
友情や成長の哲学的問題を問いかけています。
その問いは私たちの存在を
根底から考え直させ、
アオという色を通して、
永遠に続く自己探求の旅へと誘います。
※すべてはメロディウスの趣味内での解釈となっておりますのでご了承ください。