諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
indigo la End
夜凪feat.にしな
について哲学的に考察していく。
indigo la End「夜凪feat.にしな」MV
夜凪の歌詞
あなたと同じ匂いをかじった
まるで暮らしの一部のような
当たり前に優しくて
嘘みたいに眩しい
良い別れ方があるのなら
きっとこんな感じなんだろう
冬が終わるまでさよならは待ってよ
小さく光る寒さに酔ってよ
まだあなたと二人でいたいからねえ、
あと少しだけ全てわかっているからダーリン
過ぎれば過ぎるほどアンハッピー
鈍い白が視界で揺れるから
綺麗なくせに悲しいよ
そっけないのも
ちょっと好きだった
あっけないのはちょっと嫌いだよ
こんなに静かな夜に泣くのはきっと嫌いだよね
冬のいたずらで二人を繋いでよ
ドラマチックな夜を描いてよ
まだあなたの心にいたいから離れたくないよ
別れを彩らないでウィンター
あなただけで進んでくハイウェイ
わかってるけど知りたくないよ
会いたいと思っても
春に呑み込まれていくのでしょう
冬が終わるまでさよならは待ってよ
小さく光る寒さに酔ってよ
まだあなたと二人でいたいからねえ、
あと少しだけ全てわかっているからダーリン
過ぎれば過ぎるほどアンハッピー
鈍い白が視界で揺らいでる
冬が終わるからバイバイ
幸せだったよ
冬が終わるからバイバイ
大好きだったよ
序論
この歌詞には
「別れ」と「季節の移ろい」が
重なっているね。
冬という特定の季節が
象徴として
使われているけど、
ただの時間の流れ以上に、
人間関係や感情の
深い変化を描いている気がするんだ。
その通りだ、少年。
この歌詞は、
別れの悲しみを
表現しているだけでなく、
そこに伴う美しさや
一瞬の輝きも取り込んでいる。
歌詞全体を通して、
恋人たちの関係性が
冬という季節とともに揺らぎ、
終焉に向かう様子が
描かれている。
この儚さを哲学的に
考察してみようではないか。
冬の象徴としての「揺らぎ」
歌詞の中で「冬」という
季節が何度も出てくるけど、
ここでは寒さや
静けさが感情と
リンクしているね。
「小さく光る寒さに酔ってよ」
という表現なんか、
どういう意味だと思う?
冬は冷たく、
寂しい季節だが、
それが逆に感情の鋭敏さを
引き出しているのだろう。
「小さく光る寒さ」とは、
冷たい中にも微細な
美しさや温もりを
見出す心情を示している。
寒さに「酔う」という表現は、
苦しみや孤独さえも
一時的に甘美に感じる、
複雑な心の揺れを
象徴しているのではないか?
確かに。
でも「冬が終わるまで
さよならは待ってよ」
と言うところは、
冬そのものが別れを
遅らせる理由に
なっているみたいだ。
どうして冬に
こだわるんだろう?
冬は「終わり」だけでなく、
新しい季節への
「橋渡し」でもある。
この恋人たちは、
その橋の上で立ち止まりたいと
願っているのだろう。
春が来れば、
別れが避けられなくなる。
冬は彼らにとって、
感情を凍らせながらも
一緒にいるための最後の猶予なのだ。
別れの「美しさ」と「悲しさ」
この歌詞全体を通して、
「別れ」がすごく丁寧に
扱われているよね。
「良い別れ方があるのなら
きっとこんな感じなんだろう」
って、普通は別れに
良さなんて感じないはずなのに。
ここにあるのは
「終わりの美学」だな。
別れが避けられないもので
ある以上、
どう向き合うかが問われる。
歌詞の主人公は、
悲しみをただ嘆くのではなく、
それを一つの美として
受け入れようとしている。
「綺麗なくせに悲しいよ」とは、
矛盾する感情を
抱きしめる哲学的な姿勢だ。
でも、
「そっけないのも
ちょっと好きだった」
「あっけないのは
ちょっと嫌いだよ」
とあるように、
日常の些細なやりとりの中に
愛情があったことを
懐かしんでいるよね。
これが「さよなら」を
さらに辛くしているんじゃない?
確かに、
日常の中に潜む愛情は、
失われた後にこそ
強く感じられるものだ。
愛する人の
「そっけなさ」すら、
後になって愛おしく思える。
それが「あっけない」
別れによって急に終わるのは、
耐え難い喪失感を生む。
だが、それもまた
愛が深かった証と言えるだろう。
季節の移ろいと人間の限界
「会いたいと思っても
春に呑み込まれていくのでしょう」
という歌詞が切ないよ。
春って普通は
希望の季節なのに、
ここでは別れを強調している。
春は新しい
始まりの象徴だが、
それは同時に古いものが
終わることを意味する。
ここでの春は、
冷たくも美しい冬を
呑み込む存在だ。
人間は季節の移ろいを
止められないように、
感情や時間の流れにも抗えない。
だからこそ、この一瞬一瞬を
大切にしたいという
切実な思いがあるのだろう。
それでも、
「冬のいたずらで
二人を繋いでよ」
「ドラマチックな夜を描いてよ」
って願う気持ちが
出ているよね。
最後まで感情を
ぶつけている感じがする。
そうだ。
それは人間が感情の
生き物である証拠だ。
理性では「終わり」を
理解していても、
心は抗おうとする。
冬が彼らを繋ぎ止める
幻想を作り出すことを
願うのは、
その矛盾の現れだ。
そして、この矛盾こそが
人間の美しさでもある。
結論
結局、この歌詞は
「さよなら」の詩だけど、
そこに愛情や
思い出が詰まっているから、
悲しいだけじゃないんだね。
その通りだ。
この歌詞は、
冬という季節を通して、
別れの悲しみだけでなく、
その中に潜む美しさや
価値を描き出している。
人生における「終わり」は
避けられないが、
それをどう受け止めるかで
心の在り方が変わる。
冬が終わることを
悲しみつつも、
その冬にあった愛を噛みしめる。
それこそが、この歌詞の
哲学的な核心だろう。