音楽に哲学を

~国境を超えた音楽哲学がそこに~

【歌詞考察】HY/恋をして この曲の意味とは?もしもという仮定や恋愛の本質・矛盾を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

HY
恋をして

について哲学的に考察していく。


 

HY「恋をして」MV

※更新され次第アップします


恋をしての歌詞

もしも貴方に選ばれなくても
もしも貴方が誰か愛してても
私は貴方に私は貴方に
きっと恋をした
もしも貴方に出逢わなかったら
もしもあの時そこに居なければ
私の人生は私の人生は
咲くことのない花
貴方の寝顔を見たり
一緒に歌ってみたり
何気ない幸せを
一つ一つ積み上げてきた
忘れてた痛みを人を
好きになる痛みを
貴方が思い出させたの
答えがどんな恋だとしても
それでもよかった
もしも二人に終わりがきたら
もしも突然終わりがきたら
迷うことなく振り返ることなく
先に歩きだして
好きという気持ちだけでは
続かない恋もある
この部屋を見渡せば
愛されてた証が
こんなにもあるよ
忘れてた痛みも
貴方と分かち合ってきた
一人になると感じる
貴方がくれた愛の重さを
どの道を選んでも
どの答えにしても
きっと貴方に
続くように何度も
貴方に向かって歩いてゆく
忘れたい痛みがあるの
忘れたくない想いもある
二人で笑ったこの道
一人で歩く思い出の道
忘れてたこの痛みを
貴方の為なら
何度でもそう思うくらいに
愛せた人はいないよ
貴方以外に
サヨナラありがとう


 

序論

HYの「恋をして」の歌詞を題材に、

恋愛の本質と人間の感情について

語り合います。

 

この歌詞は「もしも」という

仮定の連続から始まり、

恋愛の喜びや痛み、

そしてその意味を問いかけています。

 

果たして「愛」とは何か、

「恋」とは何か。

 

この詩的な問いを深掘りしてみましょう。


 

第1章 「もしも」という仮定の意味

少年
メロディウス、歌詞の冒頭では

「もしも」という言葉が繰り返されているけれど、

これは一体何を意味しているんだろう。

 

「もしも貴方に選ばれなくても」

というのは、

愛が成就しない

未来を想定しているように思える。

 

メロディウス
「もしも」とは可能性を示す仮定の言葉だ。

 

しかし、同時に「もしも」という

言葉は現実を相対化する。

 

歌詞の語り手は、

現在の恋愛の状況がどうであれ、

そこに価値を見出そうとしている。

 

選ばれるか否かにかかわらず、

恋をした事実を肯定しているのだ。

 

少年
でも、成就しない恋に

価値があるのかな?

 

痛みだけが残る気がするよ。

 

メロディウス
それは短絡的だな、少年。

 

成就しない恋愛は、

痛みを通じて自己を

深化させる力を持っている。

 

恋愛においては、

結果よりも経験そのものが重要なのだ。

 

この歌詞は「もしも」の中に

隠された無数の可能性を肯定している。


 

第2章 忘れた痛みと愛の重さ

少年
歌詞の中で

「忘れてた痛みを思い出させた」

と言っているね。

 

人を好きになることは

痛みを伴うとあるけれど、

どうして恋愛には

痛みがつきものなんだろう?

 

メロディウス
痛みは人間の感情の純粋さを

証明するものだ。

 

もし痛みを感じなければ、

それは本気で相手を想っていないことの

裏返しとも言える。

 

恋愛は自己を相手に投影する行為であり、

そこには自己喪失や拒絶の恐れがつきまとう。

 

だから痛みは避けられないのだ。

 

少年
でも、その痛みが人を怖れさせて、

もう恋をしたくないと

思わせることもあるんじゃない?

 

メロディウス
確かにそうだ。

 

しかし、歌詞の語り手は痛みすらも

「分かち合う」経験だと言っている。

この姿勢は重要だ。

 

愛の重さを痛みを通じて感じ取ることが、

人間としての深みを生む。

 

痛みを恐れるのではなく、

それを愛の一部として

受け入れることが哲学的な成熟だ。


 

第3章 「サヨナラ」と「ありがとう」の矛盾

少年
最後の部分、

「サヨナラありがとう」が印象的だね。

 

別れという悲しい瞬間に

「ありがとう」と感謝するのは

矛盾している気がする。

 

メロディウス
表面的には矛盾に見えるかもしれない。

 

しかし、「ありがとう」とは

感情の深い理解の現れだ。

 

歌詞の語り手は、

恋愛がもたらした幸福や成長を

感謝しているのだろう。

 

別れは確かに悲しいが、

過去の共有された時間に価値を見出している。

 

少年

でも、別れた後に残るのは孤独じゃないの?

 

メロディウス
孤独もまた愛の一部だよ、少年。

 

語り手は

「一人になると感じる貴方がくれた愛の重さ」

と言っている。

 

孤独は愛の不在を示すものではなく、

むしろ愛があったことの証だ。

 

それを感謝として表現することは、

愛を超えた精神的な境地を示している。


 

結論 愛とは何か

少年
結局、この歌詞が伝えたい

「愛」って何なんだろう?

 

「好き」という感情だけでは

続かない恋もあると言っているけど、

それならどうして人は恋をするのかな。

 

メロディウス
愛とは自己を超越する経験だ、少年。

 

この歌詞は、成就しない恋や別れを通じて、

自己の限界を乗り越える人間の姿を描いている。

 

恋愛は、ただ「好き」という

感情に依存するものではない。

 

むしろ、相手を思うこと、

痛みを受け入れること、

そして別れすら感謝することに「愛」の本質がある。

 

少年
なるほど…。「恋をして」の歌詞は、

単なる恋愛の歌じゃなくて、

人間の成長や感情の深さを語っているんだね。

 

メロディウス
その通りだ、少年。

この歌詞が語る「恋」とは、

過去の感情を肯定し、

未来へと進む力を与えるものだ。

 

痛みも孤独も感謝も、

全てが人間を豊かにするための

経験だと言えるだろう。

 

少年
僕もそんな風に恋ができるだろうか?

 

メロディウス
君がその問いを抱えた時点で、

もう君の中に恋の種は蒔かれているよ。

 

いつか、その種が花開く時が来るだろう。

 

そして、咲く花の美しさを味わうのも、

枯れる悲しみを受け入れるのも君次第だ。