音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【考察】鈴木このみ/Reweave Re:ゼロ(OP)歌詞の意味を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

鈴木このみ
Reweave

について哲学的に考察していく。

鈴木このみ「Reweave」MV

www.youtube.com

Reweaveの歌詞

言葉が人を
結いつけるように
記憶に今が
縛られるように
自由なはずの
世界は絡まって
淀んでゆく真相
引き合って
歪んでゆく感情
誰も訳も知らないまま
足掻き藻掻く
縒れた足取り
一縷の希望縋るように
綻びかけの
物語だとしたって
幾千の死線に
沿って螺旋を描く
途切れそうな
運命でも
撚り合わせて
紡ぐ未来
それを僕等"生きる"と言うんだ
因果律の破片を繋ぐ
張り詰めたその糸を
掻き鳴らしてさぁ歌え
譲れない希望の為の唄
解れながら
縺れながら
織りなすのさ光を今
糸と糸が
重なり合うように
やがてすべてが
意味を成すように
いつだって
気づかないまま
寄り添って笑う日常も
ぶつかって傷ついた
昨日も選び
歩きだしたはずで
選ばれてる
現れる苦難を
また僕らは行くんだ
幾千の視線にさえ
完全に映る美しい星空でも
綻び崩れる時代
それでもまだ明日を編んだ
十一の次元を繋ぐ
縺れ合ったその糸を
解き手繰ってさぁ
辿れ世界を
変えてゆく軌跡
解れながら
縺れながら
織りなすのさ光を今
縦の糸には運命を
横の糸にはを宿命を
弱くても尚立ち向かう
僕等に祝福を
幾千の死線に沿って
螺旋を描く
途切れそうな運命でも
それが僕の形を成す
勝ち取るべき自分の意志だ
旋律が夢幻を描く
詮の無い絵空事
信じ続けた
細い祈りは
他でもない"覚悟"
因果律の破片を繋ぐ
張り詰めたその糸を
掻き鳴らしてさぁ歌え
譲れない希望の為の唄
解れながら縺れながら
織りなすのさ光を今
因果律の破片を繋ぐ
旋律は夢幻を
描く未来を僕は紡ぐ

 

序論 絡まり合う糸としての世界

「言葉が人を結いつけるように、

記憶に今が縛られるように」

という冒頭の一節は、

我々の現実が人間関係や

過去の出来事によって

織り込まれている様子を示している。

 

ここでは、マルティン・ハイデガーが述べた

「人間は常に世界の中に投げ込まれている」

という洞察が響く。

 

人は自由であるはずだが、

社会的・歴史的文脈によって制約され、

もつれた現実に生きる。

「自由なはずの世界は絡まって淀んでゆく」

という歌詞に、

カオスの中で意味を

探し続ける我々の姿が浮かび上がる。

 

第一章 運命と宿命の織りなすタペストリ

「縦の糸には運命を、横の糸には宿命を」

という詩句は、

人生が偶然(運命)と必然(宿命)の

交錯で形作られることを象徴している。

 

これは、アルベール・カミュ

「不条理」の概念にも通じる。

 

運命に抗うことができない

宿命に直面しながらも、

人は絶えず自らの生を編み直す。

 

どのような糸が絡まっても

「未来を僕は紡ぐ」という姿勢は、

ニーチェ「運命愛」の精神を反映している。

 

第二章 因果律の破片を繋ぐ努力と意志

因果律の破片を繋ぐ」という表現は、

人生における偶然的な出来事と

因果の連鎖を理解しようとする努力を示す。

 

カール・ポパー

「人生とは解決すべき問題の連続である」

と述べたように、

人間は意志によって混沌を秩序立て

、未来へと向かう。

 

どれほど糸が縺れても、

「撚り合わせて紡ぐ未来」

を信じることが求められる。

 

第三章 美しさと綻びの共存

「幾千の視線にさえ完全に映る

美しい星空でも、綻び崩れる時代」

という一節は、

ヘーゲル弁証法を想起させる。

 

絶対的な美しさや秩序が

存在する一方で、

そこには必ず矛盾と破綻が潜む。

 

変化と対立を内包する世界において、

我々はその不完全さを

受け入れながら生きる術を学ばなければならない。

 

第四章 未来を編む「覚悟」の哲学

「詮の無い絵空事も信じ続けた

細い祈りは他でもない『覚悟』」

という表現は、

サルトル実存主義的な

「自己責任」の思想を示唆する。

 

未来は与えられるものではなく、

自ら紡ぎ出すものだ。

 

「覚悟」とは、

どのような困難や不確実性にも負けず、

自分の選択を引き受ける決断のことだ。

 

運命に従うのではなく、

むしろ自分の意志によって

運命を形作ることが

「生きる」ということなのだ。

 

結論 光を紡ぐ歌としての生

「解れながら縺れながら、

織りなすのさ光を今」という歌詞に

象徴されるように、

生とは不完全でありながらも、

美しい未来を紡ぎ出す行為である。

 

どれほど糸がもつれようとも、

「譲れない希望の為の唄」を

歌い続けることこそが人間の本質である。

 

カントが「目的の王国」と

呼んだ理想社会の実現は、

すぐには訪れないかもしれない。

 

しかし、それでも

「僕等に祝福を」と

歌いながら進むことが、

人生における最大の祝福である。

 

このように、

『Reweave』の歌詞は、

運命と宿命、因果と自由、

不完全さの中で生きることへの

深い洞察を提供する。

 

そして、それはニーチェカミュ

サルトルといった哲学者たちの

思想と共鳴し、光を求め続ける我々の姿を照らし出している。

 

※すべてはメロディウスの趣味内での解釈となっておりますのでご了承ください。