諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
紫咲シオン
ゴメンねメディスン
について哲学的に考察していく。
- 紫咲シオン「ゴメンねメディスン」MV
- ゴメンねメディスンの歌詞
- 序論
- 第1章 薬の比喩としての感情
- 第2章 伝えたいのに伝えられないジレンマ
- 第3章 用法・用量の哲学
- 第4章 不器用さと成長の物語
- 結論
紫咲シオン「ゴメンねメディスン」MV
ゴメンねメディスンの歌詞
変身できる変身できちゃうから
今日も生意気に笑ってる
調合してる
調合していたのは
君を癒せる薬
この薬草 ちょっとニガいから
やめとこうをくりかえして
このキノコはなんかヤバいけど
まあいっか!
後悔してちょっと擦りむいた傷
隠したセンシティブ
「なんでもないよ…」
∞にあるけど
めちゃ伝えたい
たい
たいんだ
好きを(もっと)
でも言えない
ない
ないや
恥っずいもん(卒倒)
君を想って作った薬が
毒になったらゴメンねメディスン(癒え)
ゴメンねメディスン(癒え)
ちゃんとありがとうが言えなくて
届け届け君に
わたしのメディスン
ゴメンねメディスン
ああやったらこうなっちゃうな
そうなったらしょうがないな
予想外の副作用
ガツンと食らっちゃうわ
イメージ イメージ
君の笑顔 アメージングでも
涙が混ざっちゃうパーセンテージ
用法とはちょっと違うから
ちゃんとしようと思ったり
用量がわかんなくなっても
なんとかなれと祈ったり
ハッと気がついたミス
飛んでった楽園気分
「どうでもいいよ…」
すっごい気になるけど
魔法唱えたい
たい
たいんだ
熱いの(もっと)
でも冷たい
たい
態度は怖いよ(卒倒)
ノリで作ったファジーな薬が
合わなかったらゴメンねメディスン(癒え)
ゴメンねメディスン(癒え)
冗談で誤魔化してばかりで
後悔して後悔してもう一度
めちゃ伝えたい
たい
たいんだ
好きをでも言えない
ない
ないや
恥っずいもん
君を想って作った薬が
毒になったらゴメンねメディスン(癒え)
ゴメンねメディスン(癒え)
ちゃんとありがとうが言えなくて
届け届け君に
わたしのメディスン
不器用なメディスン
素直になれなくって
ゴメンねメディスン
「いつもありがとう」って
「ずっと一緒にいよう」って
ちゃんと言えなくって
溶けちゃったメディスン
ゴメンねメディスン
ちゃんと届いてる?
序論
少年:
「この歌詞、何だかすごく切ないよね。
でも、ただの恋愛の話とは
少し違う気がするんだ。」
メロディウス:
「確かに、単なる愛情の告白というより、
自己表現の不完全さ、
そしてその中での葛藤が描かれている。
この薬に例えられた感情を中心に、
作り手の心と受け手の
心の接点を考えることができそうだな。」
少年:
「薬って癒やしとか治療の象徴だけど、
それが毒にもなり得るってところが深いよね。」
メロディウス:
「うむ。薬を介して語られるこの物語を通じて、
人間の心の複雑さや不完全さを掘り下げてみよう。
まず、この曲が持つ根底のテーマを
解き明かすところから始めるとしよう。」
第1章 薬の比喩としての感情
少年:
「まず、『君を癒せる薬』っていう
表現がすごく印象的だよね。
これって、相手にとっての
自分の存在意義を考えてる感じがする。」
メロディウス:
「そうだな。この『薬』は、
愛情や思いやり、時にそれを越えた
執着のようなものを象徴しているようだ。
しかし、薬が万能でないように、
彼女が差し出す感情もまた、
時に癒やしではなく傷を生む
毒となる可能性を孕んでいる。」
少年:
「感情って、たぶんその時々で
受け取り方が変わるよね。
例えば、『この薬草ちょっとニガい』とか
『このキノコはなんかヤバい』っていう部分。
試行錯誤しても、
結果がどうなるかは分からない。」
メロディウス:
「そう。
これは相手を想うがゆえに、
自分の行動がどのように相手に
影響するか分からない
恐れや葛藤を表している。
愛という名の薬は万能ではなく、
個々の状況や相手の受容力によって
効能が変わるのだ。」
第2章 伝えたいのに伝えられないジレンマ
少年:
「『∞にあるけど めちゃ伝えたい』って
部分も深いね。
すごく伝えたい気持ちがあるけど、
『恥ずい』から言えない。
これ、誰もが経験することだと思う。」
メロディウス:
「まさにそうだ。
言葉にすることで生じる不完全さや
誤解のリスクを恐れているのだろう。
しかし、それでも伝えたいという衝動がある。
これは人間の自己表現における
普遍的なジレンマだな。」
少年:
「感情を隠してしまうのは、
傷つくのが怖いから?
それとも相手に迷惑をかけたくないから?」
メロディウス:
「その両方かもしれない。
特にこの歌詞では、
『君を想って作った薬が
毒になったらゴメンね』という
部分が核心を突いている。
伝えたい気持ちが大きいほど、
失敗した時の恐れもまた大きくなる。」
少年:
「つまり、自分の想いが相手にとって
負担になる可能性を考えちゃうんだね。
でもそれって、
すごく優しい気持ちでもあるよね。」
メロディウス:
「そうだ。
優しさがあるからこそ、
不器用さや恐れも生まれる。
この矛盾が、この歌詞全体を通じて
感じられる重要なテーマだ。」
第3章 用法・用量の哲学
少年:
「『用法とはちょっと違うから
ちゃんとしようと思ったり』ってところ、
なんだか面白いね。
薬の用法・用量に例えてるのがユニーク。」
メロディウス:
「これは感情の扱い方の難しさを示している。
感情は、物理的な薬のように
『適量』や『正しい使い方』が明確ではない。
つまり、どれほど相手を想っていても、
それが適切に伝わるとは限らないのだ。」
少年:
「相手の反応が予想外だと、
まるで『副作用』を
食らったみたいな気分になるよね。」
メロディウス:
「その通りだ。
愛情という感情には、
時に予期しない結果を生む『副作用』がある。
この歌詞では、
その『予想外』の出来事を
受け入れようとする姿勢も描かれている。」
少年:
「でも、予想外だからこそ
楽しいってこともあるよね?」
メロディウス:
「確かにそうだな。
感情の不確実性は、
時に人間関係における魅力でもある。
この歌詞では、
その不確実性に戸惑いながらも、
どこか楽しんでいるようにも感じられる。」
第4章 不器用さと成長の物語
少年:
「『ちゃんとありがとうが言えなくて』とか
『溶けちゃったメディスン』って、
やっぱり自分の不器用さに
対する後悔があるんだね。」
メロディウス:
「そうだ。
この不器用さこそが人間的とも言える。
そして、後悔することで自己を見つめ直し、
成長していく姿も描かれているように思う。」
少年:
「成長って、完璧になることじゃないよね。
不完全なままでも、
少しずつ前に進むことが大事なのかな。」
メロディウス:
「その通りだ。
この歌詞では、
最終的に『届け届け君に』と
希望を込めている。
不器用な自分でも、
真心を込めれば
いつか届くと信じているのだろう。」
結論
少年:
「この歌詞って、
単に『好き』って伝えたいだけじゃなくて、
伝え方に迷う不器用さや、
そこから成長する物語を描いてるんだね。」
メロディウス:
「うむ。
愛情という感情の複雑さ、
そしてそれを伝えることの難しさを通じて、
人間の本質に迫る歌詞だと言える。
そして、完璧ではない自分を受け入れること、
その中で相手との関係を育むことの
重要性を伝えているのだろう。」
少年:
「そう考えると、
すごく深い歌詞だね。
感情って難しいけど、
だからこそ人間らしいのかも。」
メロディウス:
「その通りだ。
人間は不完全だからこそ、美しい。
『ゴメンねメディスン』は、
その不完全さを肯定し、
そこから生まれる愛の形を描いた、
哲学的な一曲と言えるだろう。」