諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
ユイカ
クリスマスの日じゃなくていいから
について哲学的に考察していく。
- ユイカ「クリスマスの日じゃなくていいから」MV
- クリスマスの日じゃなくていいからの歌詞
- 序論 クリスマスの願いが映す人間の本質
- 第1章 矛盾する愛と自我
- 第2章 イルミネーションと希望の象徴
- 第3章 大人になるということ
- 第4章 クリスマスの嘘と真実
- 結論 愛と希望の矛盾を超えて
ユイカ「クリスマスの日じゃなくていいから」MV
クリスマスの日じゃなくていいからの歌詞
街灯の明かりに
気づかないくらいに明るい夜は
1人で歩くには
ちょっと寒すぎたみたいなの。
私わがままは言わない。
高いプレゼントもいらない。
イルミネーションだって
貴方がインドアなら行かない。
私大人になったの、
もう会いたい”なんて言わないから。
クリスマスの日じゃなくていいから
貴方の隣で
ちょっとだけ勘違いさせて。
私は貴方の何番目でもいいから。
イルミネーションが
片付いた頃でいいから。
私本はね、冷え性だし
ポッケにカイロあるけど、
貴方が「寒い。」と言ったときに
「私あったかいよ。」って
手を繋ぐために内緒にしてるの。
私重たくなんかないよ。
他の人と遊んでもいいよ。
LINEの返信だって
貴方のペースに合わせるよ。
私もう子供じゃないの、
たとえ貴方がリアクションだけで
終わらせても追いLINEしないから。
クリスマスの日は
きっと貴方が最近よく話す
あの子と過ごすんでしょ。
私あの子と貴方が
出会うずっと前から
貴方のことが好きだったのにな。
クリスマスの日はちょっと
かわいい服を着ていつ貴方に
呼ばれてもいいようにしておくね。
都合がいい子になんて
ならないと思っていたのにな。
クリスマスの日はちょっと
かわいい服を着ていつ貴方に
呼ばれてもいいようにしておくね。
都合がいい子になんて
ならないと思っていたのにな。
クリスマスの日じゃなくて
いいからなんて嘘なの、ごめん。
今までの全部嘘なの。
私は大人じゃないし、
わがままだし、
貴方のことなんか好きじゃないよ、
愛してたんだよ。
最後に一つだけ嘘をつくよ、
出会わなきゃよかった。
序論 クリスマスの願いが映す人間の本質
少年:
「この歌詞を読んでいて
不思議に思ったんだ。
どうして人は、叶わないと知りながらも、
こんなにも切実に誰かを想い続けられるんだろう?」
メロディウス:
「それはね、少年。
人間の愛や願いというものは、
理性だけで測れない
深い部分に根ざしているからだ。
この歌詞には、相手に対する無償の愛と、
それゆえに抱える矛盾が巧みに描かれている。
では、このテーマについて
掘り下げていこうか。」
第1章 矛盾する愛と自我
少年:
「最初の部分、
『私わがままは言わない。
高いプレゼントもいらない。』
とあるけれど、本当にそうなのかな?
結局、彼女はクリスマスの日に
呼ばれたいと願っているよね。」
メロディウス:
「その通りだ。
『わがままは言わない』と言いつつ、
内心では強い欲求を抱えている。
これが愛における大きな矛盾だ。
愛する相手に自由を与えたいと思う一方で、
自分の存在を認めてほしいという欲望がある。
これは、愛が人間のエゴと
深く結びついている証拠だ。」
少年:
「そうか。
でも、それなら
『自分の欲望を抑える』って
何のためなんだろう?
愛する相手を苦しめないため?」
メロディウス:
「それも一因だろうが、
もっと根本的には
『愛される可能性を維持するため』だ。
この歌詞の主人公は、
相手に尽くし、
自己を抑えることで、
愛をつなぎ止めようとしている。
それがたとえ不確実な希望であっても、
彼女にとっては手放せないものなのだ。」
第2章 イルミネーションと希望の象徴
少年:
「歌詞の中で『イルミネーション』が
何度も出てくるけど、
これってただの季節の風物詩以上の
意味があるの?」
メロディウス:
「良い着眼点だ、少年。
イルミネーションは、
一時的な輝きであると同時に、
希望の象徴でもある。
この歌詞では、
『イルミネーションが片付いた頃』
というフレーズが、
儚い希望が終わりを迎える瞬間を暗示している。」
少年:
「つまり、イルミネーションは
彼女の希望そのものなんだね。
でも、その希望が儚いと分かっていても、
彼女はそれにしがみついている。」
メロディウス:
「まさにそうだ。
人間は、希望を捨てることが
非常に難しい生き物だ。
この歌詞では、
クリスマスが過ぎても
愛を求め続ける姿が描かれている。
たとえその希望が虚構に過ぎなくても、
それが彼女を
生かし続ける原動力になっている。」
第3章 大人になるということ
少年:
「『私大人になったの』と
繰り返しているけど、
本当にそうなのかな?
最後の部分では、
『私は大人じゃない』と言い直しているよね。」
メロディウス:
「非常に興味深い部分だね。
彼女は、自分の感情を
抑えようとすることで
『大人である』と自覚しているが、
最終的にはその抑制が
偽りであることを認めてしまう。
大人になるとは、自分の感情に
完全に打ち勝つことではなく、
それを受け入れることだとも言える。」
少年:
「でも、彼女は
その感情を受け入れる代わりに、
最後に『出会わなきゃよかった』と
言ってしまう。
これって、大人になれなかったってこと?」
メロディウス:
「一見そう見えるが、
私は逆に、これが彼女の感情を
完全に認めた瞬間だと考える。
愛に絶望することで、
彼女は自分自身と正面から向き合う。
矛盾や弱さを抱えたまま、
それが人間の本質だと気づくことこそ、
真の成熟ではないだろうか。」
第4章 クリスマスの嘘と真実
少年:
「『クリスマスの日じゃなくていいから
なんて嘘なの、ごめん』とあるけど、
嘘をつくことで
何を守ろうとしているんだろう?」
メロディウス:
「嘘をつくことで
守ろうとしているのは、
自尊心だろう。
『大人である自分』を演じるために、
嘘をつかざるを得なかった。
しかし、その嘘が破綻したとき、
彼女はついに本心をさらけ出す。
それが、
『私はわがままだし、
愛してたんだよ』
という告白に繋がる。」
少年:
「最後の『出会わなきゃよかった』
という嘘はどう解釈すればいいの?」
メロディウス:
「それは、逆説的な愛の表現だ。
『出会わなければよかった』という
言葉に込められているのは、
彼女が相手を
どれほど愛していたかという事実だろう。
出会わなければ苦しむこともなかったが、
その苦しみさえも、愛の証明だったのだ。」
結論 愛と希望の矛盾を超えて
少年:
「結局、この歌詞が
伝えたいのは何なんだろう?
愛の虚しさ?それとも希望の力?」
メロディウス:
「どちらも正しいが、
私は『人間の本質』だと考える。
愛は矛盾に満ち、希望は儚い。
それでも人は愛し、希望を抱く。
なぜなら、それが私たちの存在
そのものだからだ。
この歌詞は、その人間らしさを
極限まで描いた詩だと言えるだろう。」
少年:
「そうか。たとえ叶わない恋でも、
それが誰かの人生にとって
大切な意味を持つことがあるんだね。」
メロディウス:
「その通りだ、少年。
愛の矛盾も、希望の儚さも、
人間が生きる上で避けられない真実なのだ。
そして、それを受け入れることこそが
人生の深みを与えるのだよ。」