諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
京本大我
孤言
について哲学的に考察していく。
京本大我「孤言」MV
孤言の歌詞
ぞんざいに扱われた
覚えもないけれど
むしろ大切に育てられた
僕だけれど
寂しさとやらが
虚しさとやらが
常に付き纏う今日この頃です
安易に口にした
覚えもないけれど
正気と問われりゃ
口籠るけれど
消えたいなんて割と心から
孤独と嘆き合うそんな夜です
こんな広い世界で
簡単に誰かと巡り合える世界で
どうやら繋がりは不確かで
時に僕さえも分からなくて
それでも強くならなきゃ
平気なフリで生きなきゃ
早く言いたいよただいま
いつか聞きたいよおかえり
不意に誰かに
投げ付けられた言葉
確かにこの心は涙目だ
零れ出すその前に
ほら僕自身が
ハンカチを渡さなきゃ
そうやって
耐えてきたんでしょう?
「もう此処に逃げ込んでもいいよ」
そんな声をきっとどこかで
待ってたんでしょう?
裏切りや諦めが
ほらまた僕を追いかけてくるよ
様々な不安視に
蝕まれるくらいなら
一人ぼっちが楽なのに
何かを成し遂げるには
何かを叶えるには
決して一人きりでは
辿り着けないみたいだ
それに一人きりでは
嬉しさは半減するみたいだ
なんて理不尽で
素晴らしい世界なの
笑えちゃうな
また涙出ちゃうな
誰もが脆いに決まってるよ
だけど誰もが勇気を
そして優しさを持っているよ
大丈夫だよってさ
愛してるよってさ
そんな言葉が
心から溢れる世界を
柄にもなく
僕は探してる
序論
少年:
「メロディウス、
この歌詞をどう思う?
読めば読むほど、
なんだか心がざわざわしてくるんだ。
僕自身のことを
言われている気がして…。」
メロディウス:
「ふむ。愛されて育ったのに孤独を感じ、
繋がりを求めながらも
その不確かさに揺れる。
少年、この歌詞はまるで
人間という存在の本質を
映し出す鏡のようだ。」
少年:
「僕、愛されてないわけじゃない。
家族だって優しいし、友達だっている。
でも、なんでこんなに寂しいんだろう?」
メロディウス:
「その問いには深い意味がある。
人間は他者と繋がる生き物だ。
しかし、その繋がりが
完全ではないからこそ、
孤独を感じるのだよ。
この歌詞の背景には、
孤独と繋がりの間で揺れる
人間の葛藤が潜んでいるように思える。」
少年:
「確かに。
僕も誰かと笑い合ってる時でも、
ふと『これって本当に繋がってるのかな?』
って不安になる時があるよ。
それっておかしいことなの?」
メロディウス:
「おかしくはない。
むしろ、君がそのように感じるのは、
人間が本質的に不完全な存在であるからだ。
完全に理解し合うことはできない。
それゆえに孤独が生まれ、
同時に繋がりを求める心が芽生える。
さあ、これを入り口として、
一緒に歌詞を掘り下げ、孤独と繋がり、
そして理不尽で美しい世界について
考えてみようではないか。」
少年:
「うん、教えて。
僕もこの世界の意味を、
もっと深く知りたい。」
第1章 孤独と存在の本質
少年:
「歌詞の最初にある
『ぞんざいに扱われた覚えもないけれど、
むしろ大切に育てられた僕だけれど』って、
僕にとても共感できる部分なんだ。
でも、なんで愛されて育ったのに
寂しさが残るのかな?」
メロディウス:
「人間は、他者の愛を
受け取ることで
満たされる存在ではある。
しかし、同時に、その愛が
自分の期待や欲望と
完全に一致することは決してない。
愛されることと、
完全に理解されることは
別の次元だからだ。」
少年:
「完全に理解されるって、
そんなに大事なこと?」
メロディウス:
「理解されたいという欲求は、
自己の存在意義を
確認するためのものだ。
君が誰かに自分の全てを
知ってほしいと願うのは、
存在の孤独を
和らげるための本能とも言える。
しかし、他者は君を完全に
知ることができず、
君もまた他者を完全には知れない。
それが孤独の本質だ。」
少年:
「じゃあ、孤独って避けられないんだね。
でも、それなら僕たちは
どうして繋がりを求め続けるの?」
メロディウス:
「孤独が避けられないからこそ、
人は繋がりを求める。
孤独の痛みがなければ、
他者との出会いや理解の瞬間が
これほどまでに
喜ばしいものにはならないだろう。
この歌詞に流れる寂しさは、
その繋がりへの渇望の裏返しだ。」
第2章 強さと弱さの意味
少年:
「歌詞には
『強くならなきゃ、
平気なフリで生きなきゃ』ってあるけど、
どうして僕たちは
そんな風に振る舞わなきゃいけないんだろう?」
メロディウス:
「それは社会という舞台の中で、
弱さを隠さなければならないと
思い込んでいるからだ。
弱さを見せることは恥ずかしいこと、
強さこそが美徳だとされている。
だが、それは本当の強さとは違う。」
少年:
「じゃあ、本当の強さって何?」
メロディウス:
「本当の強さとは、
弱さを受け入れ、
それを抱えてなお前に進む力だ。
この歌詞にある
『涙が零れ出す前に、
自分でハンカチを渡さなきゃ』
という部分には、
自らの弱さに向き合い、
それをケアする姿勢が表れているだろう。」
少年:
「でも、自分の弱さを受け入れるって、
そんなに簡単じゃないよね?」
メロディウス:
「そうだ。
しかし、自分の弱さを認めることで、
他者の弱さにも寄り添うことができる。
『耐えてきた』という言葉が示すように、
人は孤独や痛みを抱えながらも、
それを超えるための優しさを持っているのだ。」
第3章 理不尽さと世界の美しさ
少年:
「最後にある
『理不尽で素晴らしい世界』って表現が、
僕にはまだよく分からない。
理不尽って悪いことだと思うんだけど、
それがどうして素晴らしいの?」
メロディウス:
「理不尽とは、
自分の思い通りにならない
現実そのものだ。
しかし、
それは悪いことばかりではない。
思いもよらない出来事や出会いが、
君に新たな喜びをもたらすこともある。
理不尽さは、
希望の入り口でもあるのだ。」
少年:
「でも、理不尽で
傷つくこともあるよね。
それをどう受け入れたらいいの?」
メロディウス:
「理不尽さの中で生まれる苦しみは、
君の感受性の深さを示している。
そして、その苦しみを超えるたびに、
世界の美しさに気付く力が養われる。
この歌詞のように、
矛盾する感情を抱えながらも
世界の素晴らしさを見出すこと。
それこそが人生の醍醐味だ。」
結論
少年:
「僕、分かった気がする。
孤独や理不尽さを
ただ嫌うんじゃなくて、
それを含めて自分の一部として
受け入れることが大事なんだね。」
メロディウス:
「その通りだ。
孤独や不確かさ、
理不尽さの中にこそ、
人間の生きる意味が隠されている。
君がそれを受け入れ、
他者との繋がりを求め続ける限り、
君の人生は理不尽でありながらも
素晴らしい旅になるだろう。」