諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
小林柊矢
恋なんてfeat. 足立佳奈
について哲学的に考察していく。
小林柊矢「恋なんてfeat. 足立佳奈」MV
恋なんての歌詞
誰がどう見たって
下手くそな恋だ
わかってても
ずっと踏み続けていた
ブレーキを離して
君と向き合うと決めたんだ
壊れかけたアンテナは
ノイズ混じりながらも
その美しい瞳と声と髪を
しっかりとらえていた
君を射止めようなんて
君から恋を
教わっているうちは
きっと無理なんだろう
だとしても
ここで手を引こう
なんてもう遅いよな
"恋"なんて
見えなくて、
曖昧で、形がないから
きっと幻なんだと
強がっていたんだ
そんな僕のあったかいとこ
確かにぎゅっと
痛いくらい
掴んでみせたでしょ?
つまりねそうだよね
何が言いたいかってね
僕が先に認めるよ
「君が好きだ」
君に嘘をつくくらいなら
自分を上手く丸め込んで
いっそ無かったことに
してしまいたい
ねえちょっとでも
こっちの気持ちを
考えたことはありますか?
ないと願いたい
だって知ってて
その態度なら
ただの悪魔と化して
しまうから
"恋"なんて
見えなくて、曖昧で、
形がないから
都合いい物語
作り上げてしまうよ
あぁほら
また一挙手一投足に
持ち上げられ、
放り投げられる今日も
"'恋"なんて
見えなくて、曖昧で、
形がないから
きっと幻なんだと
強がっていたんだ
そんな僕のあったかいとこ
確かにぎゅっと
痛いくらい掴んで
みせたでしょ?
つまりね そうだよね
何が言いたいかってね
僕が先に認めるよ
「君が好きだ」
つまりねそうだよね
何が言いたいかってね
悔しいけどやっぱり
「君が好きだ」
序論
少年:
「メロディウス、
この歌詞を読むと、
胸が締め付けられるような
感覚になります。
恋とは何か、その本質について
考えたくなるのですが、
これほど複雑で曖昧な感情を
どう理解すればいいのでしょうか?」
メロディウス:
「良い問いだね、少年。
この歌詞は、恋という感情が持つ
矛盾と美しさを巧みに表現している。
それを哲学的に考察するために、
恋の本質、感情の曖昧さ、
自己と他者の関係性について
章立てて話し合おう。
始めに問いを定めようか。
『恋とは一体何なのか?』」
少年:
「そうですね。
そして、この歌詞に描かれている恋が、
僕たちの普遍的な経験と
どうつながるのかも探っていきたいです。」
第1章 恋という感情の曖昧さ
少年:
「歌詞には『恋なんて見えなくて、
曖昧で、形がないから』とあります。
この曖昧さが、
恋を幻だと強がりたくなる
理由なのでしょうか?」
メロディウス:
「まさにその通りだ、少年。
恋は確かな形を持たないがゆえに、
人を惑わせる。
この曖昧さは、哲学的には
実体を持たない概念、
つまりプラトンが言う
『イデア』に似ている。
恋は実際には触れられないが、
その影響は現実に及ぶ。」
少年:
「確かに恋は形がないけれど、
相手の言葉や行動に反応する
僕たちの心は、
具体的な痛みや喜びを感じますね。」
メロディウス:
「その感覚が恋の曖昧さを
さらに複雑にする。
恋は現実に基づいているようで、
実は多くが想像や期待に依存している。
歌詞で『都合いい物語
作り上げてしまうよ』とあるのも、
その曖昧さの産物だね。」
少年:
「つまり、恋は現実と
幻想の間にあるものだと?」
メロディウス:
「そう考えられるね。
恋が曖昧なのは、相手が
自分の期待や願望に応える存在ではなく、
独立した他者であるからだ。」
第2章 恋における自己と他者の関係
少年:
「歌詞には
『君を射止めようなんて、
君から恋を教わっているうちは
きっと無理なんだろう』とあります。
恋を教わるというのは、
どんな意味でしょうか?」
メロディウス:
「これは、恋愛における
主体性の問題だね。
ここでの語り手は、
自分が主体的に恋を
コントロールしているのではなく、
相手の影響下にある。
サルトルは『他者は地獄だ』と言ったが、
恋愛においても
他者の存在は自己の自由を奪う場合がある。」
少年:
「でも、恋の中で相手に
影響されること自体が、
その美しさだとも思えます。
歌詞にある『その美しい瞳と
声と髪をしっかりとらえていた』
というフレーズも、
相手への純粋な憧れを感じます。」
メロディウス:
「その通り。
恋は他者への依存と
自己の自由の狭間で揺れるものだ。
語り手が
『君に嘘をつくくらいなら、
自分を上手く丸め込んで』
と述べる場面は、
自己を犠牲にしてでも
誠実でありたいという
気持ちを表している。」
少年:
「他者に対する誠実さと、
自分を犠牲にすることの間には
どんな関係があるのでしょう?」
メロディウス:
「それは倫理の問題だね。
キルケゴールは、恋愛における
倫理的な選択を
『自己の本質を見つめる過程』と考えた。
ここで語り手は、
相手に対する誠実さを選び、
自分の未熟さを認めている。
これは、恋を通じた
自己の成熟を示しているとも言えるだろう。」
第3章 恋の痛みと成長
少年:
「『僕が先に認めるよ
「君が好きだ」』というフレーズには、
勇気と覚悟が感じられます。
でも、その直前には
迷いや苦しみも描かれていますね。」
メロディウス:
「恋の中で痛みを伴うのは、
自己が変化を求められるからだ。
語り手は、自分の気持ちを
認めることが難しいと感じながらも、
最終的には
それを受け入れる決断をする。
この過程が恋の成長の本質だろう。」
少年:
「成長とは、
どうして痛みを伴うのでしょうか?」
メロディウス:
「それは、自己の殻を
破らなければならないからだよ。
恋は、自己と他者の境界を揺さぶり、
新しい自分を発見する機会を与える。
歌詞にある『掴んでみせたでしょ?』
という表現は、
相手が語り手の心の核心に
触れた瞬間を示している。
それは同時に、痛みと喜びの両方を伴う。」
少年:
「痛みを通じて
成長するということは、
恋の価値を深めることになるのですね。」
メロディウス:
「そうだ。恋の矛盾や
葛藤を受け入れることで、
人は自分自身を超えていく。
それが恋の哲学的な意義だろう。」
結論
少年:
「この歌詞から、
恋は曖昧で複雑だけど、
成長や新たな自分との
出会いをもたらすものだと学びました。」
メロディウス:
「その通りだ、少年。
恋は確かに見えないし、曖昧だ。
しかし、それが故に人は恋を求め、
そして変わっていく。
語り手が
『悔しいけど
やっぱり「君が好きだ」』
と告白する瞬間は、
恋の本質的な謙虚さと
勇気を示している。」
少年:
「では、恋の痛みや葛藤も、
人生の美しさの一部と
考えてよいのですね。」
メロディウス:
「その通りだ。
恋は人間を最も人間らしくする感情だ。
だからこそ、
歌詞の中の語り手の迷いや葛藤は、
私たちすべてに共鳴する。
恋を恐れる必要はない。
それを通じて私たちは、
より豊かな自己を発見するのだから。」