諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
iri
Pick you up
について哲学的に考察していく。
iri「Pick you up」MV
Pick you upの歌詞
これはこれで
味わい深いdripで
掻き回した色褪せない
break up day
僕だけいや君もいた
bitter day
風が溢れる
瞬き忘れる
体駆け巡る香り
置き去りの日々よ
強く握っていたつもりのカイト
君に寄りかかれそうな影
目を閉じればあどけない
僕らが運ぶしあわせ
巻き戻す今は
どこかで待ちわびた
in my world
舞い上がれ
east blow
風に仰ぐ
west blow
心躍る明日を見つけるまで
君といた光
少し遠回り
それでも迎えに
君と見る未来を
片時も離せぬiPhone
鳴り続く見知らぬ番号
問題のあの子からの
既読はなかなかって
駅まで run and run
浮かれてくjump and jump
ホームに鳴り響く声
ギリギリの朝の向こうへ
いつもと同じまた夢を見る
わけばかりを探してみる
通り過ぎる
あの頃の
僕らが出会う
しあわせ
いつもと同じまた夢を見る
わけばかりを探してみる
通り過ぎるあの頃の
僕らが出会うしあわせ
巻き戻す今は
どこかで待ちわびた
in my world
舞い上がれ
east blow
風に仰ぐwest blow
心躍る明日を見つけるまで
君といた光
少し遠回り
するけど迎えに
君と見る未来を
何度だって振り返る
名残惜しくたって
家に帰る
Take it easy
明日は晴れだよ
maybe
巻き戻す今は
どこかで待ちわびた
in my world
舞い上がれ east blow
風に仰ぐwest blow
心躍る明日を見つけるまで
君といた光
少し遠回り
するけど迎えに
君と見る未来を
序論
少年:
「メロディウス、
この歌詞を読むと、
何だか心の奥がざわざわしてくるんだ。
『光』や『未来』を
追いかけているけれど、
迷いや過去もどこか
絡みついている。
これって、僕らの生きる
日常そのものみたいじゃない?」
メロディウス:
「その通りだ、少年。
この歌詞には、一見すると
普通の生活感や感情が
並んでいるように見えるが、
深く読むと、現代における
『存在』や『関係性』の本質が
浮き彫りにされている。
今日はこれをいくつかの
テーマに分けて考察してみよう。」
第1章 時間と記憶の流れ
少年:
「『巻き戻す今』って、
面白い表現だよね。
過去に戻るんじゃなくて、
『今』を巻き戻しているんだ。
でもそれって、
どういう意味なんだろう?」
メロディウス:
「非常に興味深い部分だな。
『巻き戻す』という行為は、
本来、過去に戻ることで
過去の一瞬を再び体験することを意味する。
しかし、ここでは『今』が
巻き戻される。
つまり、歌詞の主人公は
現在という瞬間を、
どこか未来や過去の
視点から捉えているのだ。
『どこかで待ちわびた』
という言葉が、それを補強する。」
少年:
「未来から振り返っているような
視点も感じるね。
あの頃の僕らが出会った
『しあわせ』っていうフレーズもあるし、
過去に戻りたいわけでもなく、
でもその記憶が今の自分を
形作っているような、不思議な感覚。」
メロディウス:
「そうだ。そして、
『瞬き忘れる』『体駆け巡る香り』
のように感覚的な記憶が
描かれているのも注目だ。
記憶は単なる頭の中の記録ではなく、
身体的な経験や感覚を
伴うものだとこの歌詞は語っているようだ。」
第2章 関係性の揺らぎ
少年:
「『強く握っていたつもりのカイト』って、
何か心に引っかかる言葉だな。
カイトって凧のことだよね?
何かを掴んでいるつもりで、
実はそうじゃなかったみたいな、
ちょっと寂しい感じがする。」
メロディウス:
「カイトは自由や希望の
象徴とも言える。
風に乗って空高く舞い上がるが、
実際には地上の
手に繋がれている存在だ。
『強く握っていたつもり』
という言葉は、
自分が何かを
コントロールできているという
錯覚を指しているのかもしれない。
主人公はその錯覚に気づき、
失ったものを感じているのだろう。」
少年:
「そのあとに
『君に寄りかかれそうな影』
って続くけど、
ここでは『君』が
大切な支えになる存在だよね。
でも、それって確かなものなのかな?」
メロディウス:
「良い視点だ。
『影』という言葉は実体がなく、
揺らぎや不確かさを示す。
主人公が寄りかかりたいと思う
『君』という存在も
また、完全に掴めるものではない。
それでも、その曖昧さの中に
希望や信頼を見出そうとする
人間の姿が描かれている。」
第3章 現代性と孤独
少年:
「この部分、すごく現代的だよね。
『片時も離せぬiPhone』って、
まさに僕らの日常そのものだ。
でも、それって孤独を
埋めるための道具にも感じる。」
メロディウス:
「そうだな、iPhoneは
便利なコミュニケーションツールである一方、
孤独の象徴でもある。
『鳴り続く見知らぬ番号』
『問題のあの子からの既読はなかなか』
と続くフレーズが示すのは、
つながりへの渇望と、
そのつながりが必ずしも
満たされない現実だ。」
少年:
「それでも、駅まで
『run and run』とか
『浮かれてくjump and jump』って、
日常を駆け抜けていく
描写が続くんだよね。
この矛盾というか、
孤独だけど生き生きとしている感じが、
不思議だな。」
メロディウス:
「ここに歌詞のリアルさがある。
現代人は完全な孤独でも
完全なつながりでもなく、
その狭間で揺れ動く存在だ。
その矛盾をそのまま描いている点で、
この歌詞は優れていると言えるだろう。」
第4章 未来への憧れと現実の折り合い
少年:
「未来のことを描いている部分では、
『心躍る明日を見つけるまで』って
希望が感じられるよね。
『east blow』『west blow』って、
風のイメージが大きいけど、
どういう意味が込められているんだろう?」
メロディウス:
「風は変化や未知なるものを象徴する。
『east blow』は日の出の方向、
つまり新しい始まりや希望を
示しているだろう。
一方、『west blow』は
日の入りの方向で、
終わりや完成の意味を持つ。
これらを組み合わせることで、
人生の循環的な流れを
表現しているのではないか。」
少年:
「そうか。
未来って、完全に新しいものじゃなくて、
どこか過去や現在の
延長線上にあるものなんだね。
それが『少し遠回りするけど迎えに』
って部分にも繋がっているのかも。」
メロディウス:
「その通りだ。
遠回りするという行為は、
時間をかけて成熟し、
深い意味を見出すプロセスを象徴している。
そしてそれは、君と共に
『見る未来』の価値を高めているのだろう。」
結論
少年:
「この歌詞を読み解くと、
結局は日常の中での揺らぎや
矛盾を受け入れつつ、
未来への希望を見つけていく
話だったのかな。
僕たちの生き方そのものだね。」
メロディウス:
「その通りだ、少年。
この歌詞は一見シンプルな日常を
描いているようでありながら、
その背後には時間、関係性、孤独、
そして未来への憧れといった
深い哲学的テーマが潜んでいる。
歌詞の主人公のように、
我々もまた、
曖昧さの中に意味を見出し、
揺らぎながらも進んでいく存在だ。
大切なのは、風に身を任せつつも、
自らがその風を選び取る
意思を持つことだろう。」