音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【歌詞和訳考察】XG/HOWLING この曲の意味とは?狼の遠吠えが何を表すのか?音楽内の言葉を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

XG

HOWLING

について哲学的に考察していく。

 



 

XG「HOWLING」MV

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HOWLINGの歌詞/和訳

First, we rock and that’s how we roll
まず私たちは突き進む、それが私たちのやり方。

Block is hot ’cause X took that throne
街は燃えるわ、「X」がその玉座を手にしたから。

Tough as diamonds, no sticks and stones
 (Dots connecting like tic-tac-toe)
ダイヤみたいに強いの、何にも負けない
(点が線で結ばれる、まるで三目並べみたいに)。

Lights go out and my pack just grow
明かりが消えるたび、仲間は増えていくの。

Opposition my prey my foes
敵はみんな私の獲物よ。

Game of hunger, I bring that smoke
 (Ah-ha-ha, you don’t want no smoke)
飢えたゲームに私は煙を持ち込む
(フフ、煙に巻かれたくはないでしょ)。

Fangs out, attack on three, that’s a man down
牙をむいて、「3」で攻撃、ひとり撃沈よ。

I been throwing these paws like a handout
私の爪を振り回してる、まるで配るみたいにね。

Too many cappin’, I be losing headcount
ウソつきが多すぎて、数えるのも嫌になる。

See the red dot?
赤い点が見える?

I like to cook so I hunt for my dinner
料理が好きだから、獲物を狩りに行くの。

My appetite only get bigger and bigger
私の食欲はどんどん膨らむばかり。

If I turn wolf then it must be a thriller
狼に変わるなら、それはきっとスリラーね。

Woke up in blood so I must be a killer
血の中で目覚めたら、きっと私、殺し屋だわ。

No way out when it fades out, 
can’t hide in the dark
すべてが消えるとき、逃げ道なんてない、
暗闇に隠れることもできないのよ。

’Cause when the moon light on 
a full rise is glowing down
満月の光が降り注ぐときには。

Nothing can stop or endanger us
私たちを止めたり、脅かしたりするものは何もない。

So don’t play with us,
 could be dangerous
だから遊び半分で近づかないで、
危険かもしれないわよ。

So run if you hear the sound 
(the sound)
その音が聞こえたら逃げて
(その音よ)。

‘Cause that’s how we howl
だってこれが私たちの遠吠えだから。

Ah-ooh, that’s how we howling, growling, wildin’
 (That’s how we howl) ah-ooh
アウー、これが私たちの叫び、うなり、そして荒れ狂う姿よ
(これが私たちの遠吠え)。

That’s how we howling,
 growling, wildin’
これが私たちの遠吠え、
うなり声、そして野性そのもの。

So where are you now?
それで、あなたは今どこにいるの?

Moonwalk on a rooftop like a wolf
狼のように屋上をムーンウォークする。

I move like Nat Geograph with a zoom shot
ナショナルジオグラフィックのズームショットみたいに動くわ。

Hoorah, huddle up, bring in the whole squad
ウラー、集まって、仲間全員連れてきて。

These plays is not for you to re-enact
この動きはあなたが真似するものじゃない。

First down and you know how we adapt
最初の一歩で、私たちの適応力を見せてあげる。

Touch down and you know how we impact
ゴールに触れて、その衝撃を感じるのよ。

Caught the throw, got the goal
投げたボールをキャッチして、目標を達成するの。

Rewind the video, 
do I really gotta run it back?
ビデオを巻き戻して、
これをまた繰り返さなきゃいけない?

You unleashed the beast
あなたがこの獣を解き放ったのよ。

Call it wolf gang ’cause we ’bout to feast
私たちは「ウルフギャング」、宴を始める準備は万端。

Call it firsthand a new type of breed
それを第一世代、新しい種族と呼んで。

Never cease, I got mouths to feed
止まらない、養うべき仲間がいるから。

Listen, you hear the howling
聞いて、その遠吠えが聞こえる?

Sound of a couple thousand alphas,
 now the fear surrounding
何千ものリーダーたちの声、
それが恐怖を囲むのよ。

I move in silence, brute like a group of wildlings
静かに動き、野人たちの群れのように荒々しく進む。

No choice but to choose the violence
暴力を選ぶ以外、選択肢はないのよ。

Can’t break out, no escape route,
 there’s nowhere to hide
逃げ出せない、抜け道もない、
隠れる場所なんてどこにもない。

It’s close to midnight and 
the night skies come haunting down
真夜中が迫り、
夜空が私たちを覆い尽くす。

Nothing can stop or endanger us
何も私たちを止められないし、危険にもさらせない。

If you anger us, could be dangerous
もし私たちを怒らせたら、それは危険よ。

So run if you hear the sound
 (the sound)
その音が聞こえたら逃げなさい
(その音よ)。

‘Cause that’s how we howl
だってこれが私たちの遠吠えだから。

Ah-ooh, that’s how we howling, growling, wildin’
 (That’s how we howl) ah-ooh
アウー、これが私たちの叫び、うなり、そして荒れ狂う姿よ
(これが私たちの遠吠え)。

That’s how we howling, growling, wildin’
これが私たちの遠吠え、うなり声、そして野性そのもの。

So where are you now?
それで、あなたは今どこにいるの?

Welcome to the wild
ようこそ、この野生の世界へ。

Where the strongest ones survive
ここでは強い者だけが生き残るの。

Too late to run away, you better kneel and pray
逃げるには遅すぎる、跪いて祈るほうがいいわ。

We’re howling in the dark
私たちは暗闇の中で遠吠えするの。

That’s how we howling, growling, wildin’ 
(That’s how we howl) ah-ooh
アウー、これが私たちの叫び、うなり、そして荒れ狂う姿よ
(これが私たちの遠吠え)。

That’s how we howling, growling, wildin’
これが私たちの遠吠え、うなり声、そして野性そのもの。

So where are you now?
それで、あなたは今どこにいるの?


 

序論

少年と哲学者メロディウスは、

狼の遠吠えに象徴される

「HOWLING」というテーマを通して、

生命、野生、

そして個の力について対話を始める。

 

少年はこの歌詞に込められた

エネルギーと野生的な美しさに惹かれ、

一方メロディウスは

その内に潜む哲学的な問いを

掘り下げようとする。

 

彼らは「HOWLING」の歌詞を

「生存本能」「集団と個」「恐怖と力」の

三つの観点から考察する。


 

第1章 生存本能と野生

少年:
「HOWLING」の中で、

一番強く心に響くのは、

「ようこそ、この野生の世界へ」

という部分なんだ。

 

強い者だけが生き残る―

これって少し怖いけど、

同時にすごく正直な言葉だと思う。

 

僕たちの社会はルールや

秩序で形作られているけど、

もしそれが全部なくなったら、

結局は力が支配するんじゃないかな?

 

この歌詞はその本能を

呼び覚ますような気がする。

 

メロディウス:
少年よ、君が感じた恐れと興奮、

その二重性こそが「野生」の本質だ。

 

「月光の下での遠吠え」は、

ただの狼の鳴き声ではない。

 

それは、自然の法則に従った生存の叫びだ。

 

力ある者が生き残るという真実は、

人間社会においても

隠されているが消え去ることはない。

 

私たちは文明の中で生存本能を

封じ込めているように見えるが、

 

この歌詞はその奥底に眠る

「原初の魂」を呼び覚ます。

 

歌詞に込められた

「逃げ場のない夜」というイメージは、

野生が文明を超えて私たちを

追い詰める様子を表しているのだ。

 

少年:
じゃあ、「逃げ場のない夜」って、

人間が自然の本質に

直面したときのことを言ってるの?

 

それとももっと内面的なもの―

自分の中の野生に向き合う瞬間なのかな?

 

メロディウス:
その両方だ。

自然の中で命が試される瞬間も、

自分自身の中に

眠る力に向き合う瞬間も、

どちらも「HOWLING」のテーマに重なる。

 

歌詞は、逃げるか立ち向かうかを選択する、

究極の二者択一を迫っているように思える。


 

第2章 集団と個

少年:
「群れが増える」という

歌詞があったけど、

狼は群れで生きる生き物だよね。

 

この部分を読むと、

一人で強くなるのも大事だけど、

集団で力を合わせることも

重要だと感じるんだ。

 

でも、それってどうしてだろう?

 

孤独な狼のほうが自由な気もするけど…。

 

メロディウス:
良い視点だ、少年よ。

「群れ」は個の力を超える。

 

孤独な狼は自由かもしれないが、

群れの中では個々の力が集約され、

単なる足し算ではない大きな力が生まれる。

 

しかし、その自由を捨ててでも

集団に属する理由は、

生命が持つ「生き延びたい」

という願望に根差している。

 

この歌詞の「強い者が生き残る」

という言葉は、個ではなく、

群れ全体を生存の単位と見ているように感じる。

 

少年:
つまり、「群れ」って個を守る盾であり、

同時に個を超えた何かなんだね。

 

でもその中で、

自分らしさを失う危険もあるんじゃない?

 

歌詞の中には

「新しい種族」「止まらない」

という言葉もあったけど、

それって個が群れに飲み込まれて、

全く別の存在になることを言ってるのかな?

 

メロディウス:
鋭い質問だ。

その「飲み込まれる」という感覚は、

現代社会でも私たちが直面するものだ。

 

個でありながら

集団に属するという矛盾を抱えた状態だ。

 

この歌詞では、群れに属することが

「力の増幅」として

ポジティブに描かれているが、

そこには個が持つ自由や弱さが

失われる危険性も含まれている。

 

だが、それでも

遠吠えをする狼たちの声には、

一体となった存在の美しさが感じられる。


 

第3章 恐怖と力

少年:
この歌詞には「赤い点」や

「獲物」という言葉が出てくるよね。

 

敵を捕らえて、

倒すようなイメージが強い。

 

でもそれってちょっと

残酷じゃない?

 

なぜ恐怖を与えることで

力を示そうとするんだろう?

 

メロディウス:
恐怖は力そのものではないが、

力の表現手段として存在する。

 

狼の遠吠えは単なる鳴き声ではなく、

自分の力を他者に知らしめる行為だ。

 

この歌詞に出てくる

「あなたが怒らせたら危険よ」

という言葉は、

力の背後にある警告としての

恐怖を語っている。

 

恐怖は弱者を排除する一方で、

強者を引き寄せる。

 

ここに矛盾があるのだ―

力は恐怖を伴いながらも、

同時に挑戦を呼び込む。

 

少年:
そうか、力ってただの

「強さ」じゃなくて、

それが持つ影響力のことなんだね。

 

でもその「影響力」って、

必ずしも良いものじゃないよね?

 

力を誇示することで、

相手を遠ざけてしまうこともあるし…。

 

メロディウス:
その通りだ、少年よ。

この歌詞の「逃げ場のない夜」と

「獲物を追う」というモチーフは、

力と恐怖の関係を描いている。

 

しかし、力は単に他者を

支配するためのものではなく、

自分自身を守り、

仲間を生かすためのものでもある。

 

「HOWLING」のメッセージは、

恐怖に囚われるのではなく、

力を正しく使う責任について考えさせるものだ。


 

結論

少年とメロディウスの対話を通して、

「HOWLING」の歌詞は

単なる力の象徴ではなく、

生命の本質、集団の力、

そして恐怖と影響力の関係を

哲学的に示唆していることが

明らかになった。

 

この歌詞は、私たちが抱える

内なる野生や本能に呼びかけつつ、

それを超えた存在としての

「人間」を問い直す機会を提供している。

 

少年:
結局、遠吠えって

自分の存在を叫ぶことなんだね。

 

どんなに怖くても、

自分がここにいるって伝えるために。

 

メロディウス:
その通りだ、少年よ。

遠吠えは恐怖であり力であり、

そして生きることそのものだ。

 

「HOWLING」の声を通して、

私たちは生命の本質に触れるのだろう。