音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【歌詞考察】キタニタツヤ/ウィスパー この曲の意味とは?音楽とささやきの関係性や複数演奏にした理由を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

タニタツヤ
ウィスパー

について哲学的に考察していく。


 

タニタツヤ「ウィスパー」MV

www.youtube.com

ウィスパーの歌詞

誰にも聞こえない叫びを
友だちさえ知らない、
透き通る翼を隠していた
溶けてく飴玉、寂しくて
大人へと近づく
つま先で立ってる
あたたかな太陽さえ眩しくて
疎ましく思えてしまうこと
自分だけが間違いを
抱えてる気がして
悲しくもなるけど
弱さを抱えた僕たちに
でも孤独を愛せる僕たちに
おまじないの
メロディをくれるような
秘密の逃げ場所があるよ
教科書を閉じた僕たちに
悪いことを知りたい僕たちに
自分らしさの
リズムをくれるような
小さく響くささやきを
いつも泣いている
君の目頭を拭って
笑っている君の今を彩って
いつも開いた口から溢れそうな
弱音を歌が上書きして、
少し楽になる
走り出した僕らの
追い風になる音隠した幼い、
今なら飛べるかな
天使たちがくれた
やさしい思い込みの歌を
空からばら撒こう、
街じゅうに積もるほど
互いを知りたい僕たちに
でも傷を負いすぎた僕たちに
柔らかなハーモニーを
くれるような
手探りの言葉があるよ
靴擦れが痛む僕たちに
それでも歩いてゆく僕たちに
生きることを
手伝ってくれるような
小さく響くささやきを
いつも泣いている君の
目頭を拭って
笑っている君の今を彩って
いつも開いた口から溢れそうな
弱音を歌が上書きして、
少し楽になる


序論

少年: 
「メロディウス、

この歌詞には、

何か目には見えない大切なものが

込められている気がします。

 

でも、それが何なのか、

まだはっきりとは掴めなくて。」

 

メロディウス: 
「少年、それは自然なことだ。

 

この歌詞は感情の複雑な糸を

織りなしている。

 

その中には孤独、成長、他者との

つながりといった

普遍的なテーマが隠されているが、

すべてがウィスパー、

つまり『ささやき』のような

微妙な形で語られている。

 

さあ、この歌詞を哲学的に分解しよう。

 

序論では、まず歌詞全体の軸を

考えようではないか。」

 

少年: 
「確かに歌詞全体が、

『弱さを抱える自分たち』という

視点で一貫している気がします。

 

だけど、それがただの悲観ではなく、

どこか希望に満ちているようにも感じます。」

 

メロディウス: 
「その通り。

タニタツヤが言うように、

この歌は一人称が複数形で語られる。

 

つまり、孤独を感じつつも、

それを共有することで

新たな形の希望を見出しているのだ。」


 

第1章 孤独の美学とその意味

少年: 
「歌詞には、

『孤独を愛せる僕たちに』とか、

『誰にも聞こえない叫び』といった

言葉が出てきます。

 

孤独って普通、嫌なものだと

思われがちだけど、

どうしてここでは

『愛せる』と言っているんでしょう?」

 

メロディウス: 
「それは、孤独を

ただの負の感情として捉えず、

自分自身と向き合うための

鏡として見ているからだ。

 

哲学者ハイデガーは孤独を

『自己の本来的なあり方』と述べた。

 

つまり、人は孤独であるからこそ

自分と深く向き合えるのだよ。」

 

少年: 
「それって、

孤独に強くなることで

初めて他者とつながれる、

ということですか?」

 

メロディウス:
 「その通りだ。

そして、歌詞では『秘密の逃げ場所』や

『おまじないのメロディ』という形で、

孤独を癒し、

新たな活力を与えるものとして

音楽を描いている。

 

孤独を受け入れた先に、

共鳴する存在が現れることを

示唆しているのだろう。」


 

第2章 成長と痛みの中の光

少年: 
「『溶けてく飴玉、

寂しくて大人へと近づく』って、

少し切ない感じがします。

 

成長することが寂しいって

どういう意味なんでしょう?」

 

メロディウス: 
「それは、幼さを

手放すという痛みだろう。

 

甘い飴玉が溶けるように、

無邪気な時間も

また溶けて消えていく。

 

しかし、それは新しい形での

強さや経験を得るための必要な過程だ。」

 

少年: 
「それでも、

『つま先で立ってる』という表現には、

どこか不安定さや、

何かを掴もうとする努力が感じられますね。」

 

メロディウス:
 「まさにそうだ。

成長には痛みや不安が伴うが、

それでも人は前に進む。

 

歌詞には、『靴擦れが痛む僕たちに』

という表現もあるが、

それでも歩き続ける姿勢が描かれている。

 

生きることの困難を受け入れながらも、

音楽や仲間という救いを

求める行動があるのだ。」

 

第3章 音楽と共感の力

少年: 
「でも、この歌の一番大事なテーマは

『音楽』そのものなんじゃないかと思います。

 

弱音を上書きする歌がある、

っていう部分がとても印象的で。」

 

メロディウス: 
「確かにそうだ。

この歌詞全体を支える

もう一つの軸は『音楽の癒しの力』だ。

 

音楽は、言葉では伝えきれない

感情を共有する手段となる。

 

タニタツヤが語ったように、

この曲が完成するのは一人ではなく、

他者とのつながりがあってこそだ。

 

つまり、歌うことで

共感の空間を生み出している。」

 

少年: 
「音楽が孤独な人を

繋いでいく場所になるんですね。

 

それが『秘密の逃げ場所』だったり、
『小さく響くささやき』なんでしょうか。」

 

メロディウス: 
「その通り。

哲学者ガブリエル・マルセルが言うように、

『芸術は、存在そのものを響かせる行為』だ。

 

歌はただの言葉以上の力を持ち、

人々の心に温かな光を灯すのだよ。」


 

結論 共鳴する歌声が紡ぐ未来

少年: 
「じゃあ、この歌詞全体が

伝えたいのは、孤独を受け入れて、

それを音楽や仲間を通じて

乗り越えていこう、

ということなんでしょうか?」

 

メロディウス: 

「そうだ。しかし、それだけではない。

 

歌詞は単なる克服ではなく、

孤独そのものを美しいものとして捉え、

そこに共感を生む力が

あることを語っている。

 

そして、その象徴としての音楽が、

私たちに希望と癒しを

与えてくれるというメッセージだ。」

 

少年: 
「希望って、弱さを

抱えたままでいいんだ、

って認めることから

始まるのかもしれませんね。」

 

メロディウス: 
「その通りだ、少年。

この歌詞が私たちに教えてくれるのは、

たとえ孤独や弱さがあっても、

それを抱えて前へ進む勇気だ。

 

そして、その道を照らしてくれるのが

音楽という『ウィスパー』なのだよ。」