音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【歌詞考察】天照ダウン/獅子志司&初音ミク・春猿火 この曲の意味とは?火や社会の光と闇を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

獅子志司

天照ダウン 

について哲学的に考察していく。


 

獅子志司「天照ダウン 」MV

www.youtube.com

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天照ダウン の歌詞

アンティークな街並みを
見下ろしながら
ランページ弾き出して
名乗り出す
今夜ジョーカーなら
ポーカーフェイス剥がそうか
お気持ち 業火業火
我ら我ら我ら我ら我ら
不知火だった
それだけで
誰か誰か誰か誰か誰か
知らないなんて言わないで
天照ダウン 
影が贔屓をしている
賊の忍び霊の雄叫び誰お呼び?
Down Down Down
アンバランサーな
火が夢を見ている
今宵燃ゆる闇に軍配
I don't like that 
光が眩しすぎるよ
視界が霞むランプ
マッチポンプマジ凡夫 
この世は滑っている
醒めないような夜がいいな
Timetable いらない天道
無視陽が昇る
ラッタッタ 
ダークな方が
バースなるもんに
色が着き火が着き
世に好ましい
目覚ましもシンパシーも
いらないよ
ただ欲しいのはこのマシーン
How many?
我らの上にいつまで経っても
マンネリコケコッコー
滑稽な光景
時計の針を誰か折って
導火線火放って 
絶望に架けるランウェイ
ツクヨミの夜に 
Dropping Dropping
明けない夜は無いから
と言うからそろそろ帰るわ
対角線にいるだけで
良いとか草だって生えるわ
消えない気体しがない
個体も見捨てはしない
等しく愛で?
見るもの全てに
負い目を与えなさんなって
天照ダウン 化けの皮剥がれる
毒を被れ法則破れ 藍をくれ
Down Down Down
アンバランサーが
東から出ている
故意に終わる闇にうんざり
モーターバイクには
悪いが地球の裏にいたいんだ
これぞパンク
誰それ言う 神ソレイユ 
この世を統べている
勝てないなら 
意味ないじゃんか
そう People 
要は皆天道虫
陽を求む
lalala~
Down Down Down
遠のいて 遠のいてハーレー
追いつけない速度で
lalala~
Down Down Down
鈍いね鈍いね 晴れ
届かない所へ


序論

少年:
「この歌詞、

まるで現代社会への挑発みたいだね。

 

言葉の隅々に、不満や矛盾、

それでもどこか燃えるような

エネルギーを感じるんだ。」

 

メロディウス:
「確かに。

この歌詞には、社会の光と影、

個人のアイデンティティの揺らぎ、

そして夜と闇を通して描かれる

自己との対話が見える。

 

それを解き明かすには、

哲学的な視点が不可欠だ。」

 

少年:
「それじゃあ始めようか。

 

このアンバランスな火が

燃えてる世界を、

僕たちで読み解いてみよう。」


 

第1章 光と影のアンバランス

少年:
「『アンティークな街並み』や

『ポーカーフェイス剥がそうか』って、

どこか古びたものを守りたい気持ちと、

それを壊したい反骨精神が

同時にあるみたいだね。」

 

メロディウス:
「その通りだ、少年。

 

このアンティークなイメージは、

伝統や過去の象徴だ。

 

だが『ポーカーフェイスを剥がす』

という行為には、

それを偽りだと暴く意図がある。

 

哲学的には、これは真実への渇望と、

既存の秩序に対する挑戦を示唆している。」

 

少年:
「でも、『業火』とか

『不知火』とか出てくる言葉は、

もっと破壊的な感じだよ。

 

火って、破壊するけど、

新しいものを生むイメージもあるよね?」

 

メロディウス:
「それが火の二面性だ、少年。

 

火は光として照らし出す一方で、

影も作る。

 

歌詞にある『天照ダウン』は、

日本神話の天照大神

否定的に扱っている。

 

つまり、光の象徴である神聖な存在すら、

ここでは影を贔屓する。

 

これは、現代社会で

光=正義とされる価値観が、

実は裏切りや矛盾を抱えていることを

暗示している。」


 

第2章 夜と闇の救済

少年:
「この歌詞、なんだか夜や闇を

美化してる気がするんだ。

 

『醒めないような夜がいいな』とか、

『ダークな方がバースなるもん』とか、

明るい昼よりも暗い夜を求めてるみたいに。」

 

メロディウス:
「夜とは、哲学的には

休息や内省の象徴だ。

 

昼間の光は、

活動的で社会的な時間だが、

同時に抑圧や偽りを伴う。

 

歌詞が夜を好むのは、

そうした抑圧から解放される

自己探求の時間を求めているからだろう。」

 

少年:
「でも、

『アンバランサーな火が夢を見ている』って、

闇の中にまだ燃え続ける

希望みたいなものも感じるよ。

 

夜は暗いだけじゃないってこと?」

 

メロディウス:
「そうだ。闇の中に灯る小さな火は、

絶望の中で生まれる希望の象徴だ。

 

『導火線火放って 絶望に架けるランウェイ』

という言葉は、

むしろ絶望を乗り越える行動や

創造的なエネルギーを表している。」

 

第3章 矛盾する自由と救済の欲望

少年:
「歌詞の中で、

『時計の針を誰か折って』とか、

『モーターバイクには悪いが地球の裏にいたい』とか、

逃避のイメージが強いよね。

 

でも、それって本当に自由なのかな?」

 

メロディウス:
「良い問いだ、少年。

 

自由を求める行為は時に

逃避と表裏一体だ。

 

この歌詞では、

時間や場所の制約から

解放されたいという

欲望が強く描かれている。

 

しかし、それと同時に

『消えない気体しがない

個体も見捨てはしない』

という言葉が、

個人の存在価値への思いを示している。

 

つまり、完全な自由と

自己責任という矛盾が、

ここに込められている。」

 

少年:
「矛盾してるけど、

その矛盾が生きていることそのものだよね。

 

完璧な自由って、

結局どこにも行けないことなのかも。」

 

メロディウス:
「その通りだ、少年。

矛盾とは哲学的に言えば、生成の条件だ。

 

完全な自由や秩序は

静止状態をもたらすが、

矛盾の中にこそ動きや成長が生まれる。

 

この歌詞は、

その動き続ける状態を示している。」


 

結論 燃える闇の哲学

少年:
「結局、この歌詞が伝えたいのは、

光や闇、自由や制約、

絶望や希望のどちらか一方じゃなくて、

その間にいることの大切さなんじゃないかな?」

 

メロディウス:
「その通りだ。この歌詞は、

すべての対立や矛盾を

一つの流動的な状態として

受け入れることを促している。

 

『明けない夜は無いからと言うから

そろそろ帰るわ』という一節も、

希望があると信じながらも、

今この瞬間の夜を愛おしむ姿勢だ。」

 

少年:
「光を求めるんじゃなくて、

闇の中で燃え続けること。

それが僕たちが目指すべき

生き方なのかもしれないね。」

 

メロディウス:
「そして、その火は

ただ外界を照らすだけではなく、

自分自身をも照らし出す光だ。

 

少年、この歌詞の中の

アンバランスな火は、

私たちの中にもある。

 

大切なのは、

それを消さずに燃やし続けることだろう。」

 

少年:
「うん、燃やし続ける。

 

その火がいつか

新しい光になるかもしれないからね。」

 

メロディウス:
「その通りだ、少年。

 

この『天照ダウン』は、

ただの否定ではなく、

次なる可能性を示す夜の哲学だ。」