諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
wotaku feat.初音ミク
ジャバウォック
について哲学的に考察していく。
wotaku「ジャバウォック」MV
ジャバウォックの歌詞
パステルで描いたみたいな町
森の動物と歌おう
マーマレードみたいな海
変わらない空の色
ずっと
シュークリームみたいな牛
チョコレートの
タワーマンション
ピンクの観覧車
フルーツのアクアリウム
この歌は終わらないから
こんぺいとう ちょっとあげる
ショートケーキの
鋭角で数学の授業
かばん語のサイファー
魔女謳う老婆
森に火を放つようだ
ハートの女王か
謎のジョーカー
そしてジャバウォックの召喚
ハリボテローゼンガルテン
クリケットやめて走る
兵士もうクレイジー
キツネもリスも逃げる
笑み浮かべ しっぽフリフリ
猫と気狂い帽子屋
もうやめなティーパーティー
注射器を浮かべた
湯舟でバスタイム
味のしないお菓子
ウサギ追いし かの河
超えてはいけない
まだ此処にいたい
いたい
いたい
いたい
いたい
魔法が解ける
時間が来る忘れてた
自分のこと
妄想
本当
無愛想な白い天井と
管に繋がれた自分
感覚の無い身体
太陽の光
見慣れない人達がいる
どうして泣いているの
飾られた花の名を
私は知らない
メロンソーダが出る蛇口も
ラングドシャのオペラ座も
バームクーヘンの城も
ここにはないの
甘いものが食べたいの
薬の匂いは嫌なの
動物を飼いたいの
猫じゃなきゃいいの
序論
少年:
「メロディウス、
この歌詞、どう思う?
とても不思議なイメージが
次々に浮かんでくる。
だけど、最後の方では
現実が急に突きつけられるような
感覚があるんだ。」
メロディウス:
「確かに。
これは、幻想と現実の交錯、
夢の儚さ、そして人間の心の奥底にある
矛盾を表現しているように思える。
特に『ジャバウォック』という言葉は、
ルイス・キャロルの詩から
引用されているものだ。
彼の作品は不条理や矛盾を特徴とするが、
この歌も同じテーマを追求しているのではないか?」
少年:
「そうか…歌詞全体が、
夢と現実、喜びと恐怖、
自由と制約といった
二律背反のテーマを含んでいるってこと?」
メロディウス:
「その通りだ。
それを探るために、
この歌詞を順に考察していこう。」
第1章 幻想の構築と無垢なる夢
少年:
「最初の部分は、
まるで子供の夢みたいだね。
『パステルで描いたみたいな町』
『マーマレードみたいな海』
色彩や甘さに満ちたイメージが溢れている。」
メロディウス:
「そうだな。
ここでは、人間の心が生み出す
純粋で無垢な世界が描かれている。
この段階では、
現実の制約は存在せず、
すべてが自由だ。
しかし、この無垢な夢の中には、
すでに暗示的な影が潜んでいる。」
少年:
「たとえば
『この歌は終わらないから』
という言葉かな?
終わらないものなんて
本当にあるのだろうか?」
メロディウス:
「いい着眼点だ。
夢が永遠に続くという約束は、
むしろその儚さを暗示している。
幻想が現実の中で
持続不可能であることを予感させるものだ。」
第2章 不条理と混乱の到来
少年:
「次の部分では、
幻想が少しずつ混乱していくように見える。
『魔女謳う老婆』
『森に火を放つようだ』とか…
急に不気味になるね。」
メロディウス:
「ここでは、
不条理が幻想の中に
入り込んでいる。
『ハートの女王』
『謎のジョーカー』
『ジャバウォックの召喚』など、
秩序が崩壊し、
夢が悪夢に変わる様子が描かれている。
不安と矛盾の象徴と言えるだろう。」
少年:
「夢の世界が崩壊していくとき、
人はどうしてこんなに怖く感じるんだろう?」
メロディウス:
「それは、夢が現実を超えた
自由を与える一方で、
現実の感覚を失う危険性を
孕んでいるからだ。
『湯舟でバスタイム』
『注射器を浮かべた』という表現は、
心が現実の制約から
解き放たれたときに陥る
虚無感を象徴しているのかもしれない。」
第3章 現実への帰還と失楽園
少年:
「そして最後に、
現実に引き戻されるんだね。
『管に繋がれた自分』
『太陽の光』
これって、病院のベッドで
目覚めたということ?」
メロディウス:
「その通りだろう。
幻想が終わり、現実の無慈悲さが
突きつけられる。
『見慣れない人達がいる』
『どうして泣いているの』
という言葉には、
自分が置かれた状況への戸惑いが現れている。」
少年:
「でも、
『飾られた花の名を私は知らない』
っていうのは
ただの現実じゃないよね?
まだ少し夢が残っているような感じがする。」
メロディウス:
「鋭い指摘だ。
この部分は、夢と現実の境界線が
曖昧であることを示している。
現実に戻ってきたとしても、
人間の意識は完全には夢を手放せないのだ。」
結論 夢と現実の対立と調和
少年:
「結局、この歌詞は何を
伝えようとしているんだろう?」
メロディウス:
「それは、夢と現実の間にある
人間の存在そのものだ。
我々は夢を追い求めるが、
現実から完全に逃れることはできない。
逆に、現実だけに縛られると、
夢を失った喪失感に苛まれる。
この歌詞は、その二律背反の中で
揺れ動く人間の心を描いている。」
少年:
「じゃあ、この歌詞の
『ジャバウォック』は、
人間の心の中にある矛盾や
混乱そのものを象徴しているのかな?」
メロディウス:
「その可能性は高い。
『ジャバウォック』という存在が、
夢と現実、希望と恐怖、秩序と混乱
といった二項対立を超えたところにある
象徴として機能しているのだろう。」
少年:
「そう考えると、この歌詞って、
ただの幻想的な世界の描写じゃなくて、
僕たち自身の心を映し出している鏡みたいだね。」
メロディウス:
「その通りだ、少年。
この歌詞の中にこそ、
私たち自身が存在しているのだよ。」