音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【歌詞考察】あいみょん/朝が嫌い 楽曲の意味を徹底解釈!恋愛感情を朝と夜に紐づけた失恋ソング!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

あいみょん
朝が嫌い

について哲学的に

少年との会話を通して解説していく。


 

あいみょん「朝が嫌い」MV

www.youtube.com


朝が嫌いの歌詞

誰にも言えないような

病に蝕まれている
私の恋の寿命はいつまでだろう
古着のシャツの
彼が朝方家を訪ねてきて
私の枕で眠る
「おかえり」「ただいま」
3分でできる
彼を満たすものでも
3分じゃ足りないの
私を満たすのは
夜になっても側にいてほしい
私は朝が嫌い
知らない間にいなくなっても
ちゃんと鍵はポストの中
なんだか悔しくなるの
他にも帰る場所が
ある気がしてから
回ってそこから
何も手につかない
予告のない帰宅だから
できるだけ家に居たくなる
そうして何度
独りで過ごしたんだろう
連絡はしないの
私なりの抵抗でも
結局は全部したいの
いつだって待っているの
連絡はしないの
私なりの抵抗でも
結局は全部したいの
いつだって待っているの
夜になったら明日が怖い
私は朝が嫌い
いつかの夢は
この部屋にもちゃんと
彼の鍵ができること
始発列車の音
それが私の目覚まし
寝癖を整えて
わざとらしくまた眠る
ベルが鳴るのを待つ 
期待で踊るこの胸
会いたい醜い そんな朝が嫌い
夜になっても側にいてほしい
私は朝が嫌い
知らない間にいなくなっても
ちゃんと鍵はポストの中
私の夢は叶わないらしい
この恋は死にかけてる
知らない間に
忘れてしまって
いつかもっと素敵な
そんな朝になれ

 

メロディウスと少年の考察

少年:

「この歌詞の主人公は、朝が嫌いなんだね。

夜が終わって朝になると、

彼がいなくなってしまう

かもしれないって考えるからかな?」

 

メロディウス:

「そうだね、少年。

ここには人間の『儚い愛』に対する

深い不安が込められているように感じるよ。

 

夜が続けば二人は共にいられるのに、

朝が来ることでその時間が儚く消えてしまう。

その象徴的な朝の到来を恐れる姿が描かれているね。」

 


 

少年:

「愛って、なんだか難しいね。

なんで人は恋に悩むんだろう?」

 

メロディウス:

「それはおそらく、

恋が人間の存在にとって

本質的に欠けた何かを埋めようとする

行為だからだろうね。

 

哲学者プラトンも、

愛は自分に欠けた部分を相手に

見出す行為だと語っていた。

 

しかし、この主人公は愛によって

完全に満たされることはない。

 

彼女が求めているのは

『常に共にいる』という安心感だけれど、

彼が『別の場所にも

帰るべき場所がある』ことに気づき、

また孤独に戻されてしまう。

 

つまり、彼女の恋には常に

欠落がつきまとっているんだ。」

 

少年:

「3分で彼を満たすけど、

自分が満たされるには足りないっていうのも、

なんだか切ないね。

 

愛って、対等じゃないのかな?」

 

メロディウス:

「うむ、少年。

そこに現れるのは、

まさに『愛の不均衡』だ。

哲学者サルトル

『他者の存在は時に自分を不完全に感じさせる』

と語っていたように、

愛する相手が満たされている

一方で自分が空虚に感じることがある。

 

彼女にとって、

彼が帰る家は他の誰でもなく

『自分のものであってほしい』

という欲求がある。

 

しかし、それが叶わない現実が

あるからこそ彼女は自分の愛に悩む。」

 


 

少年:

「夜が明けると

彼がいなくなるかもしれない…

 

それなら、ずっと夜のままだったら

いいのにって思ってるのかな。」

 

メロディウス:

「そうだろうね、

夜の中での時間は彼女にとって

『永遠に続く幻想』を感じさせるものだろう。

 

しかし、朝が来ることでその幻想が壊れ、

現実が彼女に突きつけられる。

 

そして、始発列車の音が

彼女を再び現実へと引き戻すんだ。

 

まるで『夢から覚める瞬間』のように、

彼女はもう一度孤独と

向き合わねばならないんだよ。」

 

少年:

「この歌の主人公は、

どこか諦めているみたいだね。

『私の夢は叶わないらしい』って。

 

でも、諦めながらも

まだ期待しているのがわかるよ。」

 

メロディウス:

「そこに人間の

『悲しいまでの執着』が現れているね。

 

彼女は、叶わないかもしれない

夢にしがみついている。

 

この期待と絶望の狭間で

揺れ動く姿は、

人間の弱さでもあり強さでもある。

 

ニーチェが言うように、

『人は夢を失ってしまったら

生きることができない』

 

それゆえに、彼女はまだ

その夢を手放すことができないんだ。」

 


 

少年:

「それでも、もしかしたらいつか

彼が朝にいなくならなくなるって、

期待して待ってるんだね。

 

悲しいけど、なんだか美しい気もするよ。」

 

メロディウス:

「そうだ、少年。

この愛の形は悲しみに満ちているけれど、

それでも彼女が愛にしがみつき、

朝が来るたびにまた夜を願う姿は

『人間の深い欲望と愛の美』だよ。

 

愛とは、時に不完全で、

苦しみを伴うものだが、

その儚い希望こそが人生に深みを与えるものなんだ。」

 

こうして、少年と哲学者メロディウスは

愛のもろさや希望について語り合い、

愛が人をどれだけ傷つけても、

そこにどこか美しいものがあると感じながら

夜を見つめ続けるのだった。