音楽に哲学を

~日本のみならず国境を超えた音楽哲学がそこに~

【歌詞考察】東方神起/DEAREST 生死と未来の笑顔の意味を哲学的に徹底解説!

諸君、ごきげんよう

 

我は音楽を哲学的に考え思考する

メロディウスである。

 

今回は

東方神起
DEAREST

について哲学的に考察していく。


 

東方神起「DEAREST」MV

www.youtube.com


DEARESTの歌詞

もうすぐさよなら
もう会えないかな?
他愛のないくらいでいいから
少し話そう
懐かしいガラス玉
ほらここにあるよ
青空透かすだけで
今希望に見えた
憧れも現実も
祝福も葛藤も
ずっとそばで見届けたいけど
もう行かなくちゃだから...
笑って笑って顔を見せて
不安な未来がそこにあっても
君はいつも好きな人と
並んで歩いていて
遠い空の下で
優しかった君がいて
繋がってるんだって
感じていられる
これからは
絵空みたいな時間を越えて
明日 僕が消えていても
君は笑って笑って...
永い永い 途の先で
色んな出会いが待っていても
君はいつも好きな人と
並んで歩いていて
君は君はどんな時も
笑って歩いていて

 

序論 「さよなら」と時間の不可逆性

冒頭の「もうすぐさよなら」

という言葉には、

私たちが避けることのできない

時間の不可逆性が示されている。

 

マルティン・ハイデガー

存在と時間において、

「人間の存在は常に未来へと向かいながら、

その終焉へ向かっている」と述べた。

 

我々は出会いと

別れの連続の中で生きているが、

それらの瞬間を永遠に

止めておくことはできない。

 

別れに伴う切なさは、

存在が一度きりであることに由来する。

 

第一章 ガラス玉と希望の寓意 ─ 「見る」ことの哲学

「懐かしいガラス玉」が

青空を透かすことで

「希望」に見えるという描写は、

我々の主観的な「見る」という行為が

如何に世界を構成するかを示している。

 

モーリス・メルロー=ポンティは、

「私たちは世界をただ受け取るだけではなく、

見ることを通じて世界に意味を与える」と述べた。

 

この歌詞は、日常の一瞬が

我々の内面的な状態次第で、

希望にも絶望にも変わり得ることを暗示している。


 

第二章 葛藤と祝福 ─ 現実をどう受け入れるか

「憧れも現実も、祝福も葛藤も、

ずっとそばで見届けたい」

という表現には、

人生の様々な側面に対する深い受容がある。

 

セーレン・キェルケゴール

「絶望を乗り越えた先にのみ、

真の自由がある」と言った。

 

葛藤や現実を受け入れ、

それでもなお誰かのそばにいたいという願いは、

存在そのものへの肯定を示している。

 

第三章 未来への不安と選択の自由

「不安な未来がそこにあっても」

という言葉は、

我々が未来を予測できない

不安定な状況にいることを思い出させる。

 

ジャン=ポール・サルトル

「人間は自由の刑に処されている」と言い、

自由とは同時に不安を

もたらすものだと指摘した。

 

しかし、この歌詞では、

不安の中でも

「好きな人と並んで歩く」ことが

救いとして提示されている。

 

第四章 絵空事の時間 ─ 想像力がもたらす永遠

「絵空みたいな時間を越えて」

という言葉には、

現実を超えた想像の領域が示唆される。

 

プラトンイデア論において、

私たちがこの現実の背後にある

理想的な世界を夢見ることができると主張した。

 

現実の時間が過ぎ去っても、

人間の想像力はそれを超越し、

記憶の中で永遠を生き続ける。


 

第五章 「好きな人と並ぶ」ことの幸福の本質

「好きな人と並んで歩いている」

という描写は、

幸福が人との関係性の中に

あることを示している。

 

アリストテレス

『ニコマコス倫理学において

「友情は幸福の本質的な条件である」

と語った。

 

単に個人の成功ではなく、

誰かと共に歩むことで

幸福が成立することが、

この歌詞の中心的なテーマである。

 

第六章 存在の痕跡と「消える」ことへの考察

「明日僕が消えていても」

という言葉には、

自分の存在が一時的なものであるという

認識が含まれている。

 

ハイデガー「死への存在」

としての人間を説いたが、

この歌詞では、死や消失を

悲観的に捉えるのではなく、

その中に残る「繋がり」を強調する。

 

「遠い空の下で優しかった君がいて」

という言葉が、それを象徴している。


 

結論 「笑って歩く」生き方と永遠の繋がり

最後の「笑って歩いていて」

というフレーズは、

どのような状況でも笑顔で

生き続けることが重要であるという

教えを含んでいる。

 

ニーチェ「運命を愛せ」という言葉で、

自分の運命をそのまま受け入れ、

肯定的に生きることの重要性を説いた。

 

歌詞全体を通して、

別れや不確実な未来に対しても、

人は他者との繋がりを感じることで

前に進む力を得ることができるという

メッセージが込められている。

 

この考察では、

東方神起の『DEAREST』が伝えるテーマを、

哲学者たちの思想を通じて掘り下げた。

 

それは、別れの痛みの中にも、

希望、繋がり、

そして肯定的な未来が

潜んでいることを示している。

 

最後に、歌詞が提案する

「笑顔で歩く」姿勢こそが、

人生という旅路の中で

最も崇高な選択であるといえよう。

 

※すべてはメロディウスの趣味内での解釈となっておりますのでご了承ください。