諸君、ごきげんよう。
我は音楽を哲学的に考え思考する
メロディウスである。
今回は
Halloween Japanesque '24
について哲学的に考察していく。
- Sound Horizon「Halloween Japanesque '24」MV
- Halloween Japanesque '24の歌詞
- 序論 カオスと秩序の交錯としての「ハロウィン」
- 第一章 「人間だもの」―多様性と共生の哲学
- 第二章 「桜散りぬるは避けられぬ運命」―無常ともののあはれ
- 第三章 「コロナ禍を乗り越えて」―苦悩の中の希望
- 第四章 「未来の御伽噺」―神話とポストモダン
- 結論 Love & Peace―交差する文化と共存の理想
Sound Horizon「Halloween Japanesque '24」MV
Halloween Japanesque '24の歌詞
ハロハロハロハハハハ
ハロハロハロ...
ハロウィン ハロウィン ハロウィン ハロウィン
ハロウィン ハロウィン ハロウィン 24
ハロウイン ハロウィン ハロウィン ハロウィン
ハロウィン ハロウィン ジャパネスク24
サンタの嘘を健気に言じ
除夜の鐘を炬燵で聴いて
大凶の神籤はマジぴえんだけど
みんな違ってみんないい
桜散りぬるは避けられぬ運命
花火の余韻にもののあはれ
台風が過ぎ去れば
今年もハロウィン
楽しんだっていい
人間だもの
いぇい
ヤバいんじゃない
このカオスが私の生まれた国
アイルランド生まれで
アメリカで育った友と
今一緒に踊ってみよう
ヘイ!
ようこそここは
神と仏 悪霊と物の怪が
肩を寄せ合い住んでる国
ねぇどこから来たの?
推しのキャラは何?
君のことを教えてよ
セイ!
ハロウィン ハロウィン ハロウィン ハロウィン
ハロウィン 24
ハロウィン ハロウィン ハロウィン ハロウィン
ハロウィン ジャパネスク24
能登の地震に心を痛め
でき得る支援をそれぞれ探す
コロナ禍を乗り越えて
令和のジャパニーズピーポー
雨にも負けず風にも負けず
うぉう
エモいんじゃない?
このセンスが
私の育った国ジャパーン
哀しみにとらわれないで
さよならを抱きしめたまま
今を一緒に笑ってやろう
カモン!
ようこそここは
武士と忍者 怪獣と巨大ロボが
袖を触れ合い 生きてる街
ねぇいつから居るの?
推しのフード何?
君の声を聞かせてよ
セイ!
ハロウィン ハロウィン ハロウィン ハロウィン
ハロウィン 24
ハロウィン ハロウィン ハロウィン ハロウィン
ハロウィン ジャパネスク
これは未来の御伽噺
鬼と巨人
海賊とアイドルがバズり 祀られ
推された時代
そして君と私
まだ知らない文化が出会い
交わり繋がる未来
鳴呼夜を乗り越え
朝までハロウィン
星は青く輝くよ
セイ!
ハロウィン ハロウィン ハロウィン ハロウィン
ハロウィン24
ハロウィン ハロウィン ハロウィン ハロウィン
ハロウィン ジャパネスク
Love&peace
序論 カオスと秩序の交錯としての「ハロウィン」
ハロウィンは、
死者の霊が現世に戻る夜とされる一方で、
現代では仮装と騒ぎの場へと変容してきた。
本楽曲の冒頭では
「サンタの嘘」「除夜の鐘」「台風」など、
多様な文化や自然現象が織り込まれ、
ハロウィンが単なる「カオスの祭典」を
超えて多元的世界の縮図であることが示される。
ニーチェが語るように、
「混沌の中から星が生まれる」
(『ツァラトゥストラ』)のごとく、
ハロウィンは多様性から
新たな価値を生み出す場である。
第一章 「人間だもの」―多様性と共生の哲学
「みんな違ってみんないい」という歌詞は、
相田みつをの詩を彷彿とさせ、
多様性の肯定を強調している。
個人の違いを尊重するという
この理念は、ジョン・スチュアート・ミルの
『自由論』における「個性の価値」と共鳴する。
ミルは、個人の自由が
社会の進歩を促すと説いた。
本楽曲もまた、
ハロウィンという場を通じて
異なる価値観が共存し、
人間が「楽しむ権利」を持つと宣言する。
第二章 「桜散りぬるは避けられぬ運命」―無常ともののあはれ
桜の散り際に見られる「無常」は、
仏教的思想を反映している。
古典的な「もののあはれ」にも
通じるこの歌詞は、
存在の儚さと
それを受け入れる心境を象徴する。
ヘーゲルが
「すべての現実的なものは理性的であり、
すべての理性的なものは現実的である」
と述べたように、
季節の移ろいもまた理に適ったものである。
第三章 「コロナ禍を乗り越えて」―苦悩の中の希望
パンデミックの経験が
織り込まれたこの歌詞は、
アルベール・カミュの『ペスト』を
連想させる。
カミュは、人間の苦しみに直面しながらも
希望を見出し、連帯することの重要性を説いた。
楽曲は「令和のジャパニーズピーポー」に
向けて、試練を乗り越えた
先にある未来を信じる姿勢を鼓舞する。
雨や風にも負けない精神は、
第四章 「未来の御伽噺」―神話とポストモダン
「鬼と巨人」「海賊とアイドル」など、
相反する要素が共存する世界観は、
「ポストモダンの状況」に通じる。
リオタールは、既存の大きな物語が解体され、
断片的な価値観が並存する時代を指摘した。
ここで語られる未来の「御伽噺」は、
新たな文化が混ざり合い、
個人と社会が共に成長していくことを暗示する。
結論 Love & Peace―交差する文化と共存の理想
楽曲の締めくくりにある
「Love & Peace」は、
ジョン・レノンの理念にも通じる
普遍的な平和の呼びかけである。
ハロウィンという異文化交流の祭典を通じ、
私たちは異なる価値観を受け入れ、
互いに共存することが
可能であると示唆されている。
「すべての心は無意識の海で繋がっている」
という言葉のように、
本楽曲は、異なる文化や価値観を超えて
繋がる未来を描き出している。
「Halloween Japanesque ’24」は、
過去・現在・未来の多様な要素を織り交ぜ、
カオスの中で共存する
人間の在り方を描き出している。
その中にこそ、
私たちは「愛」と「平和」を見出し、
共生の理想を実現するための
道を探っていくのである。
※すべてはメロディウスの趣味内での解釈となっておりますのでご了承ください。